裸のフクシマ―原発30km圏内で暮らす

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062173193
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0095

出版社内容情報

2011年3月11日のあと、福島第一原発のそばでは何が起こり、そしていまでもどんな事態が進行しているのか。
水素爆発直後の情報がないという恐怖、避難勧告に振り回され、バタバタと倒れる高齢者たち。まったくの茶番劇だった一時帰宅ショー、がんばっている人ほど見返りの少ない矛盾だらけの補償制度、いまだに東電にぶら下がろうとする地元、県内でも広がる地域ごとの亀裂、低濃度の放射線にさらされる生活を続けようとする人々……。
原発から25kmに住む筆者だから書ける、地元目線の真実。

たくき よしみつ[タクキ ヨシミツ]
著・文・その他

内容説明

放射線被害ではなく、ストレスで身体を壊す住民続出、単なるショーと化す「一時帰宅」、がんばっている人には少ない矛盾だらけの補償金制度、線量が低くても稲の作付けができない理由、「ぶら下がり」を強める地域、独立を志向する地域…事態はいまも進行中。マスコミがまったく報じない3・11後に地元で始まった悲喜劇。

目次

第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?(揺れる我が家を外から見ていた;通信不能になることの恐怖 ほか)
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実(3月15日、文科省が真っ先に線量調査をした場所;県はSPEEDIのデータを13日に入手していた ほか)
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった(安全な家を突然出ろと言われた南相馬市の人たち;20キロ境界線を巡る攻防 ほか)
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様(川内村にとっての脅威は線量ではない;農家の意地をかけた孤独な闘い ほか)
第5章 裸のフクシマ(「地下原発議連」という笑えないジョーク;放射能で死んだ人、これから死ぬかもしれない人 ほか)

著者等紹介

たくきよしみつ[タクキヨシミツ]
本名、鐸木能光。1955年、福島県福島市生まれ。小説、デジタル文化論、デジカメ写真、狛犬美術など、幅広い分野で執筆活動を展開。2004年末からは福島県阿武隈山中に居を移す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

28
21頁前後で、 爆発して、放射能から逃げねば、 と動揺を隠せない叙述が読者を支配する。 何とも言えない重苦しさ。 避難を決断できた村と できなかった村(56頁~)。 自治体によって住民の寿命に長短が できてしまうということだろう。 風評と実害(75頁)。 やらしい人達は、自分たちが加害者 のくせに、被害者ぶってみたりする。 立場逆転しているのである。  2014/05/07

rymuka

9
この本は,私たちへ,フクシマの実情を突きつけていると同時に‘政治がその実情に対してどう作用することがよいのかという問題’をも,突きつけているように思う。 ~http://rymuka.blog136.fc2.com/blog-entry-34.html2013/01/13

D21 レム

9
川内村に住む作家。外の者が書いたものとは一線を画す。福島の現状は複雑だし、いろいろな人もいるし、あらゆることが煩雑。疲労感、徒労感、暗澹たる気持ちになる。60年代米ソ核実験時の汚染で大丈夫だったんだから、とよく聞くが、著者によると、その一万倍もの汚染がある計算になる。また、チェルノブイリより少ないというが、国土面積が違うから、比較にはならない。「今も被爆している福島県民」という反原発運動などが逆に福島県民を傷つけるという矛盾。現実を踏まえて、それでも、愛着のある土地に生きる人だから書けた本。胸が塞がる。2012/08/23

てら

8
福島原発から30km圏内にありながら、風向きなどの要因によって比較的汚染の少ない川内村で暮らし続ける作家・ライターによる「淡々とした」原発事故被災記録。しかし、ここには怒りがないわけでも、あきらめているわけでもない。むしろ怒りを持って、なおかつあきらめないために「淡々としている」のだと思う。これを出版した講談社は素直に偉い。原発賛成とか反対とかいう次元を超えた、一冊というよりは「一撃」のような本です。2012/02/19

海月

6
原発30km圏内で暮らす現実をオーバーにも美化することもなく書いた本。マスコミで報道されることのない話が気にかかる。一読を薦める。文がうまいなと思ったら、著者は昔、小説すばる新人賞受賞者だった。なるほど。2012/03/11

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