出版社内容情報
理不尽な境遇でも逞しく生きる少年の物語!戦争で両親を失い、一人ぼっちのポン。妖精シエル、家出した町の少女パコとの出会いと交流を通して、生きる勇気や子どもらしい本来の自分を取り戻していく。
内容説明
ぼくは、ポンだ。呪われた子だといわれて、だれにも引き取られなかった。ずっと、さまよった。地雷原を。ジャングルと村の間を。“さすらいのポン”と、人は呼んだ。理不尽な境遇でも逞しく生きる少年の物語。戦争で両親を失い、ひとりぼっちのポン。妖精シエル、家出してきた少女パコとの交流を通して、生きる勇気や子どもらしい本来の自分を取り戻していく。小学中級から。
著者等紹介
山本けんぞう[ヤマモトケンゾウ]
東京生まれ。詩人・作家。東京大学法学部卒。1984NHK入局。90~91年テヘラン特派員、92~94年プノンペン特派員、94~2002年パリ特派員。04年退局。現在、カンボジアの地雷原でコットンの有機栽培を進め、地雷被害者の生活支援活動に従事
デュフォ恭子[デュフォキョウコ]
名古屋生まれ。南山大学外国語学部卒業後、カンボジア教育省青年総局に2年間勤務。その後、パリの美術学校で絵画を学ぶ。夫の赴任でコートジボワールに5年滞在。パリ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
53
埋められた地雷を踏んで手足を吹き飛ばされる。そんなことが日常的に起きるその村の子供たちの間で、“さすらいのポン”は困った子ども達を助けてくれるという伝説があった。そしてそんなポンには妖精の友だちがいて・・。「あの路」の山本けんぞう氏の本ということで迷わず借りました。この物語はこれがどこの国の話だとは特定していません。が、世界のどこかには彼らが暮らしているような村がまだ残されていると思います。そしてそんな過酷な状況に置かれた彼らを見ても、暗い気持ちになるどころかむしろ彼らの強さに勇気づけられました。★★★★2012/11/25
けんとまん1007
8
地雷が埋められた土地で生きているポン。そのポンが象徴するものは、なんだろうなと思った。厳しい環境の中でも、暮らしを営む子供たち。お互いに、助けたり助けられたり、楽しみや希望を見出したり。人間の、子供たちのこころの有り様を考えずにはおれない。2013/05/19
産学社
0
山本けんぞうさんの児童小説。身寄りのない地雷原の少年が、飛べない妖精や、まちの女の子と出逢い、少し大人になる物語。いつでもどこでも見つけられる、誰にでもある心の回帰点のありかをさりげなく、教えてくれます。2013/03/05