いい女vs.いい女

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062170765
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

カルト的人気を誇る饒舌作家、待望の作品集全裸の男の夢を見た。脳内イメージを更新すべく、いい女のことを考えよう……「過剰に緻密な表現で描かれるばかばかしさ」と第七回絲山賞を受賞した表題作他2編

内容説明

全裸の男の夢を見てしまった。脳内イメージを更新すべく、さあ、“いい女”のことを考えよう!…と、本題そっちのけで語られ始めたのは謎の全裸サークルの活動。そして手に汗握るVネック耐久レースの顛末は、誰もが呆れる衝撃の結論を導き出した―。『過剰に緻密な表現で描かれるばかばかしさ』と第7回絲山賞を受賞した表題作ほか、現役書店員も思わず失笑!の快作「本屋大将」、某芥川作家に『自分はもう小説を書くのをやめたほうが良いのかもしれない』とまで言わしめた初期の傑作「教師BIN☆BIN★竿物語」の計3作を収録。

著者等紹介

木下古栗[キノシタフルクリ]
1981年埼玉県生まれ。2006年「無限のしもべ」にて第四九回群像新人文学賞を受賞しデビュー。饒舌な文体で澱みなく語られるその内容のほとんどに意味はない。徹底して自覚的に「小説」そのものの存在意義を問いかけるかのようなその手法に魅せられ、デビューから一部の作家、書評家、書店員などの間でファンが急増、カルト的人気を誇る作家となる。「いい女vs.いい女」(「群像」2010年12月号)で第七回絲山賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

38
最新作『グローバライズ』を読んでいて旧作を拾い読む。 この過剰で無意味なエクリチュール、悪ふざけ、ああ…… 収録短編「教師BIN☆BIN★竿物語」より 『腰をダイナミックにうねらせてのバタフライが始まった。あまりに盛んなドルフィンキックが人間離れをした。もはや両脚は地上を歩くためのものでなく、進化した数億年先のの生物のそれとなり、理性や思考は完全に吹っ飛び、単にバタフライ泳法を使いこなす肉体の次元を越えて、一つの純粋な推進する躍動的な運動体として俺は水面で野生化していた。』2016/03/29

*maru*

36
お目当ての『グローバライズ』貸出中だったけど本書をお持ち帰りで宣言通り古栗again。おいおい私。もしや古栗にハマったんじゃ…。No.1『本屋大将』100均は素晴らしいって話?立ち読み絶対駄目って話?ストレス溜まると脱ぐって話?No.2『教師BIN☆BIN★竿物語』楽しさの定義?バタフライ凄いって話?勝手に話まとめるなー!No.3『いい女vs.いい女』夢に出てきた男の裸体を払拭する為“いい女”について考えよう!主題…どこいった。3話とももれなく迷子。エンドレス迷子。いい女=安室奈美恵。グラシアス古栗。2018/10/07

りー

34
これはきっと何か深い意味があるに違いないとか、ここは重要な伏線に違いないとか、そんな風に頭を悩ませることが馬鹿らしく思えてしまう程に意味のない文章、意味のないエピソードの羅列。木下古栗は初めに最新作の『金を払うから素手で殴らせてくれないか』を読んでいたので、それに比べると荒削りな印象なのだけれど、逆に言えばより「らしさ」が出ている作品かもしれない。アメコミ風の表紙といい、本文の質の悪い紙といい内容といい、なんとも低俗な感じがして逆に良い。2014/06/15

三柴ゆよし

30
世の中には読むだけで「頭がよくなったぞ!」という錯覚を覚える書物がある一方で、読んでも一向に頭がよくなった気がせず、そればかりか脳髄がほんの少し腐敗したように思わせる書物もあり、その中でも脳髄は腐敗するしあまつさえつまらない書物と、脳髄は多少腐ってもしかし面白い書物のふたつが存在し、本書は明らかに後者である。極限まで圧縮された文体の、それでいて日本語のコロケーションを奇妙にずらした語彙の用法がある種のガス抜きとなり、緊張とそれに相反した弛緩に満ちた至福の文章体験を味わわせる。古栗の魅力はまずその文体だ。2015/12/08

harass

23
発売予定の新刊の題名から興味を持ち購入。密度があり執拗な文体から繰り広げられるナンセンスと下ネタで思わせぶりな展開は放置され唖然とする。モンティ・パイソンのTV版を連想した。中原昌也の再来と考えていいが極悪さは薄めで下ネタは多め。文体が似ている感じなのはどっちも古井由吉のリスペクトなのかと。言語遊戯というか文体の味というかそういうものを楽しめる人向き。小説から人生とか教訓とかを得ようとする人をあざ笑うような作品。 三本の短編中編を収録。『本屋大将』『教師BIN★BIN★竿物語』『いい女VSいい女』2014/02/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/3843624
  • ご注意事項

最近チェックした商品