出版社内容情報
短編からアプローチする画期的村上春樹論 英訳された短編作品をもとに、その時々のテーマのあり方、デタッチメントからコミットメントという創作態度の変化を論じ、村上春樹の全体像に迫る画期的論考!
内容説明
英訳された「短編」を徹底的に読み込むことによって、初めて見えてきた、小説家としての村上春樹の「闘い」。現代文学のトップランナーの核に迫る、決定版「村上春樹」論。
目次
序 「井戸」の消滅―『ねじまき鳥クロニクル』から『1Q84』へ
第1部 初期 物語と無謀な姿勢(最初の選択―「言葉」か「物語」か;「無謀な姿勢」はどこから来るか―「中国行きのスロウ・ボート」;観念と初心―「貧乏な叔母さんの話」;「耳をすませる」こと―「ニューヨーク炭鉱の悲劇」)
第2部 前期 喪失とマクシムの崩壊(卑小な「空白」―「午後の最後の芝生」;強奪と交換―「パン屋再襲撃」;「ないこと」があること、「ないこと」がないこと―「象の消滅」;マクシムの崩壊―「ファミリー・アフェア」)
第3部 中期 孤立と危機(女性という表象―「レーダーホーゼン」;これ以上はあげられないくらいの大きな悲鳴をあげること―「眠り」;村上春樹、底を打つ。―「沈黙」と「七番目の男」)
第4部 後期 回復と広がり(マニフェストと小さな他者―「めくらやなぎと、眠る女」;わかりにくさと、戦後の思想―「かえるくん、東京を救う」;自分への旅―「品川猿」)
著者等紹介
加藤典洋[カトウノリヒロ]
1948年、山形県生まれ。東京大学仏文科卒。国立国会図書館、明治学院大学を経て、早稲田大学国際学術院教授、文芸評論家。97年、『言語表現法講義』で第10回新潮学芸賞、98年、『敗戦後論』で第9回伊藤整文学賞、2004年、『テクストから遠く離れて』『小説の未来』で第7回桑原武夫学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
抹茶モナカ
里馬
コニコ@共楽
梟をめぐる読書
Sherlock Holmis