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村上春樹の短編を英語で読む1979~2011

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  • サイズ B6判/ページ数 602p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062170307
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

短編からアプローチする画期的村上春樹論 英訳された短編作品をもとに、その時々のテーマのあり方、デタッチメントからコミットメントという創作態度の変化を論じ、村上春樹の全体像に迫る画期的論考!

内容説明

英訳された「短編」を徹底的に読み込むことによって、初めて見えてきた、小説家としての村上春樹の「闘い」。現代文学のトップランナーの核に迫る、決定版「村上春樹」論。

目次

序 「井戸」の消滅―『ねじまき鳥クロニクル』から『1Q84』へ
第1部 初期 物語と無謀な姿勢(最初の選択―「言葉」か「物語」か;「無謀な姿勢」はどこから来るか―「中国行きのスロウ・ボート」;観念と初心―「貧乏な叔母さんの話」;「耳をすませる」こと―「ニューヨーク炭鉱の悲劇」)
第2部 前期 喪失とマクシムの崩壊(卑小な「空白」―「午後の最後の芝生」;強奪と交換―「パン屋再襲撃」;「ないこと」があること、「ないこと」がないこと―「象の消滅」;マクシムの崩壊―「ファミリー・アフェア」)
第3部 中期 孤立と危機(女性という表象―「レーダーホーゼン」;これ以上はあげられないくらいの大きな悲鳴をあげること―「眠り」;村上春樹、底を打つ。―「沈黙」と「七番目の男」)
第4部 後期 回復と広がり(マニフェストと小さな他者―「めくらやなぎと、眠る女」;わかりにくさと、戦後の思想―「かえるくん、東京を救う」;自分への旅―「品川猿」)

著者等紹介

加藤典洋[カトウノリヒロ]
1948年、山形県生まれ。東京大学仏文科卒。国立国会図書館、明治学院大学を経て、早稲田大学国際学術院教授、文芸評論家。97年、『言語表現法講義』で第10回新潮学芸賞、98年、『敗戦後論』で第9回伊藤整文学賞、2004年、『テクストから遠く離れて』『小説の未来』で第7回桑原武夫学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

抹茶モナカ

17
途中まで読んで、間を開けてから読了。この方の村上春樹研究は妄想が原動力だ。なるほど、と思っていたら、それは思い込みというか、飛躍が過ぎるのでは、というのが混ざり込む。でも、僕みたいにただ読んでいるのとは違う切実さを感じる。自分の妄想と言い訳しながら、飛躍した読みを展開する場面、そこをどう捉えるかで好き嫌いが出る本。まとまった批評として村上春樹研究の仕事を残した事は評価されるべきかもだが、なんとなく謎解き風味が個人的に嫌いだ。2022/01/12

里馬

9
春樹が好き、と抜かしながら短編ほとんど読んでなかったや。好きな作家に関する評論ってあんま好きじゃなくて、それは僕が変な読み方をしてたり、評論家が穿った読み方してたりで、共感を覚えないのが一等の理由。だからもし僕が短編を既にいくつか読んでいたら此処までに興奮しつつ一息に読み耽る事はなかったかも。この先生の本(勿論春樹短編集も!)、もっともっと読みたいです。2011/11/03

コニコ@共楽

4
時には相当の妄想を描きながらも、村上春樹の短編で繰り広げられる深くて“わかりにくい世界”を丁寧に解説しています。600ページほどのボリュームがじわじわと豊かに独特の世界を作っていくようで充実した読みものでした。2011/11/08

梟をめぐる読書

4
「村上春樹の短編を英文で読む」のでもなく「ストイックに村上春樹の短編だけを読む」のでもなく、外国人読者相手の講義をもとに、長編作品との関係まで網羅した村上春樹総論。徹底的な調査に裏打ちされた「読み」は相変わらずの精度で、それ以外の見方ができなくなりそうなほど。2011/09/15

Sherlock Holmis

3
村上春樹の短編に関しては表層的な雰囲気を楽しんできた傾向が自分にはあったが、ここまで考察を展開できるのだと素直に驚き、読み直したくなる。枕頭の書として繰り返し読むことで一層読書に深まりが出そう。しかしそれにしてはちょっと重すぎるだろう。2019/11/09

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