出版社内容情報
極上のボディ・ガードエンターテイメント!『左手に告げるなかれ』で江戸川乱歩賞受賞の著者がついに完成させた、ミステリにして至極のエンターテイメント! ボディ・ガードは、究極のサービス業だ――。
内容説明
トップランナー、真姫の警護を担当することとなったボディガードの八木は、自らの髪を金色に染め、ハイ・プロファイル・プロテクションを実施する。企業のイメージキャラクターとして、アスリートとして、涙を見せず気丈にふるまう真姫に、悲劇は襲いかかる。コーチが殺害され、あらぬ疑いをかけられた真姫を救うため、八木の率いる女性警護チームがあらゆる危険を排除すべく動いたが―『左手に告げるなかれ』の江戸川乱歩賞作家、渡辺容子が圧倒的なスピードとスケールで描く渾身のボディガードエンターテインメント。
著者等紹介
渡辺容子[ワタナベヨウコ]
1959年、東京都生まれ。東京女学館短期大学卒業。1992年『売る女、脱ぐ女』で第59回小説現代新人賞を受賞。1996年『左手に告げるなかれ』(講談社)で第42回江戸川乱歩賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
122
乱歩受賞作品『左手に〜』に登場した「八木」さんが、ボディーガードとして、一人の女子マラソンランナー「真姫」を警護します。作品をとおして、とにかく'警護'の描写がリアルで、ずっと手に汗握ってました。ターゲットを守り抜く、そのプロフェッショナルな振る舞いに「八木」さんからは目を離せません。一作目からはかなりキャラが変わった感のある展開ですが、根本的なカッコよさはますますパワーアップしています。色恋沙汰もほとんどなく、ひたすらにハードボイルドな展開で攻めまくる作者さんの筆力にすっかり魅力されてしまいました。2019/01/14
ゆみねこ
69
マラソンのトップランナー・日比野真姫を体を張って警護するボディーガード八木薔子。メチャクチャ格好良い八木さんにハートを鷲掴みされました。面白くて一気読み、久々の渡辺容子さんでした。2019/01/21
ジンベエ親分
50
「左手に告げるなかれ」が面白かったのでシリーズを揃えた。保安士すなわち万引きGメンだった前作と異なり、勤務する警備会社は変わらないが本格的な訓練を経て警護員つまりボディガードに転身している八木薔子がマラソンランナーの日比野真姫の警護任務に当たっている。真姫のコーチが殺されたり恋人の生首が届けられたり、かなり血生臭く物騒な事件を硬派な文体で語る話。善人、胡散臭いヤツ、悪人がほとんど第一印象どおりなのでミステリー的な捻りはないが、疾走感溢れるハードボイルドな世界を堪能できた。まだぞくへんがあるのは幸せ?️2019/02/07
ひめありす@灯れ松明の火
47
お話もよかったのですが、それよりも文中に出てくる言葉『背中の荷物を軽くして下さいと願うのではなく、強い背中を下さいと願え』とか『これ以上困難を与えないで下さい、と神に祈るのではなく、乗り越えられる強い心を下さい、と祈れ』など何気なく名言が多すぎる。八木さんが真姫に対して少しずつ心を開いていく過程がいい。展開的に犯人はやや読みやすいところがあるけれど、複雑な人間関係がそれを補ってくれて楽しめた。しかし、真姫は現実味が薄すぎる程に可愛いなあ、と思う。さすが真の姫と書くだけある。きっとパンサーの命名に違いない。2012/01/24
papako
27
八木シリーズ。保安員だった八木がボディーガードに。イメージががらっと変わってかっこいい女に。マラソン選手のヒメの護衛をしながら、それにまつわる事件に巻き込まれる。そんな中で、決して当事者ではなく、対象者に寄り添う姿勢がいい。かなり常軌を逸した事件なのに、淡々と。株価操作のためにそこまでするか?という感じだけど、お話としては面白い。八木の訓練の描写も迫力。やはり、この作家の文章は好き。しかし、私は保安員の八木が好きだった!2013/06/14