出版社内容情報
浅草寺と観音様 庶民信仰の東京の拠点として、年間3000万人の参拝客を集める浅草寺。戦災後の再建のために邁進した第27世清水谷貫主の数々の教えと智慧が熱く語られる。
内容説明
「信仰」とは「体験」。九二歳の大僧正が観音様の心を未曾有の時代に説き念じる。
目次
第1章 庶民とともに歩まれる観音様(浅草寺の「聖」と「世俗」;観音信仰は大衆の信心 ほか)
第2章 焼け野原からの復興を念じて(焼け野原の中にも;拝めば救われる ほか)
第3章 浅草寺の詣り方(庶民が開いたお寺;水のような信心 ほか)
第4章 観音信仰から暮らしを見つめる(人間に生まれさせていただいた;人生は儚い ほか)
第5章 己を忘れて他を利する(是非を説く口を慎む;地蔵尊の功徳 ほか)
著者等紹介
清水谷孝尚[シミズタニコウショウ]
大正8年長野県上田市の常楽寺に生まれる。現在九二歳。昭和16年大正大学文学部国文学科卒。昭和21年浅草寺一山善龍院住職就任。以後浅草寺勧財部執事、浅草寺総務部執事、浅草寺史編纂主任、老分特任、勧学所長。平成5年台東区史編纂専門委員。平成8年浅草寺貫首。平成10~12年財団法人全日本仏教会副会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くみこ
7
浅草寺貫首様の優しい語り口で、浅草寺の歴史や観音様の教えについて、人のあるべき姿についてがわかりやすく説かれた本です。あの雷門が、松下幸之助氏の寄進によるものと大々的に伝わっていないのは、自分の名を出してくれるな、と松下氏が強く希望したからだそうですね。仁王門再建のホテルニューオータニ創業者大谷氏も同じ。小説の合間にこうした本を読むと、綺麗な空気をたくさん吸い込んだ気分になれるものですね。ありがたや。2016/10/03
Yoichi Taguchi
3
浅草寺貫首・清水谷氏:94歳まで生きた氏が92歳の時に発刊された本。日本人にとって仏教とはそうゆうものかと思わせる。信者だろうがなかろうが、歴史や日常を通じて仏教というよりも文化として根付いているもので、観音様や地蔵様などは身近な存在。信仰に厚いわけではないが、寺院を通った折に余裕があれば手を合わせてみよう。その際は願い事をするのではなく”今まで生かしてくれてありがとう、これからも宜しく”の方がいいのかな。2020/01/26