君は隅田川に消えたのか―藤牧義夫と版画の虚実

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君は隅田川に消えたのか―藤牧義夫と版画の虚実

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  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062168786
  • NDC分類 732.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

いま美術界を揺るがす最大のミステリー! 藤牧は生きているのか死んだのか、彼の作品は誰が作ったのか?彼は生きているのか死んだのか?
ミステリーとしても堪能できる美術界を揺るがす謎!

『芸術新潮』1月号でも注目される藤牧義夫
1935(昭和10)年、将来を嘱望された版画家・藤牧義夫が、隅田川河畔の下宿から忽然と消えた。その後、消息は今となっても杳として知れない。
しかし、藤牧の画業は昭和50年代から高い評価をうけ、現在、主要作品が国立近代美術館、東京都現代美術館などに収蔵されている。
そんな藤牧だが、現存する作品に多くの謎が含まれているという。戦後彼の作品を世に紹介したのは、藤牧の先輩にあたり版画家・版画史家として高名だった小野忠重で、彼の活動には大いなる疑問があると、故人となった美術評論家の洲之内徹や長年の追跡調査を行なった画廊主・大谷芳久は指摘する。
今年生誕百年を迎え、回顧展が予定されている。版画に人々が注目しだした昭和前期という時代と、現在、美術界を揺るがす謎を追う長編ノンフィクション。図版多数掲載




駒村 吉重[コマムラ キチエ]
著・文・その他

内容説明

美術評論家・洲之内徹が絶賛した藤牧義夫。その消息はいまも不明で、作品にはさらに大きな謎が残る。藤牧生誕百年、絵巻と版画に秘められた怪事を追う。

目次

よみがえった遺作と伝記
幸福なとき
父のすべてを忘れない
図案家修業
創作版画というトレンド
「描くが如くに彫る」
かんらん舎と遺作展
ヨーロッパ現代美術へ
「気まぐれ美術館」の人
思想。右と左の青春
迷宮の入口に
数珠つなぎの疑惑
物語は連鎖する
日輪になった父
雨の夜

著者等紹介

駒村吉重[コマムラキチエ]
1968年長野県生まれ。ノンフィクション作家。1997年から1年半モンゴルに滞在、帰国後から執筆活動に入る。2003年『ダッカへ帰る日』で第1回開高健ノンフィクション賞優秀賞、2007年『煙る鯨影』で第14回小学館ノンフィクション大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

15
昭和10(1935)年9月、藤牧義夫はわずか24歳と8か月にして、だれにもなにも告げずに下宿があった東京浅草の界隈から忽然と消えた。その生死はいまだにさだかではない。彼の遺した主な作品は東京国立近代美術館に所蔵されている。代表作≪赤陽≫、そして総延長60メートルにも及ぶ桁外れの大作<隅田川両岸画巻>がある。僕がこの版画家を知ったのは、NHKの日曜日美術館の「生誕100年 藤牧義夫 モダン都市の光と影」だった。そして、このミステリアスな書名に魅かれて読んだ。藤牧はなぜ消えたのか、それを知るのは藤牧と最後に会2014/09/10

辺野錠

5
行方をくらませて消息不明の版画家と言うのもミステリーなのに現実はさらにミステリー! 生い立ちを追っていったら途中で細部が違う同一作品という謎が出てそこから作品の改ざん、捏造疑惑など不自然な点がボロボロと出て来てこれまで知られていた藤巻義夫像が虚像になっていくのがスリリングであった。特に作品がでっち上げられたという疑惑は想像の斜め上過ぎる。本当に何処へ消えたのか。一体何が起こったのか。誰がやったのか推測できてもその人は亡くなって藪の中で近代だというのに真相は闇の中過ぎる。2016/10/05

駄目男

4
タイトルに惹かれて読んでみたが意外と分かり辛かった。 確かにミステリー作品のような事実だが版画に対する知識もなく実物を目の前にして贋作問題を話されているわけもないので余計に難題だ。 藤牧義夫の足取りはまったく謎でこれでは失踪の意味さえ解らない。 確かに自殺とは思えない印象はうける。2014/04/06

まめはち

2
ワタクシ、長年、小野忠重の捏造した藤巻義夫伝に騙されていました。東京都現代美術館のコレクション展で7月上旬まで『隅田川両岸画巻』と木版画数点を公開中です。いつか少年期に描いたお父様の威徳を偲んで作成した三岳全集も公開してほしいものです。2024/05/30

あきこ

2
衝撃的過ぎて言葉が出ない。何が真実なのかは全くわからないが若くして姿を消した藤巻の才能が惜しい。本人は尚のことだろう。本題の渦中にいる小野だが、彼は藤牧の才能にヤキモチのようなものを抱いていたのではなかろうか。自分の力を超えた才能に対する嫉妬の気持ちは、しかしプライドの高い彼は素直に認めることはできなかった。あくまでも上から目線でしかない。この事件の真実はどこにあるのか、藤巻はどこへ行ってしまったのか。そして藤巻の作品をじかに見てみたい気持ちも募った。贋作ではなく、真作を。2024/05/04

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