東京影同心

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  • サイズ B6判/ページ数 279p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062167260
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

世情騒然、同心の弥一郎も幕末を生きていく江戸南町奉行所の同心・金子弥一郎が、文久から慶応・明治の時代を、久留米騒動にも巻き込まれながら、お役に忠実に生きようとする姿を描く書下ろし時代長編。

内容説明

明治元年、江戸町奉行所は市政裁判所と名を変え、のち、東京府に移管されて、完全に姿を消した。慶応三年、二五歳で異例の出世をし、南町奉行所定回り同心となった金子弥一郎。お役大事で、まじめに生きてきたこの男にも、コロリの流行、桜田門外の変、彰義隊と、文久、慶応、明治の大変動が襲いかかる。「八丁堀」が消えた明治の世になって、捕り物一途の男が見せる、己れと世の中につける決着。

著者等紹介

杉本章子[スギモトアキコ]
1953年、福岡県八女市生まれ。ノートルダム清心女子大学国文科卒業後、金城学院大学大学院修士課程修了。江戸文学を学ぶ。この修士論文の延長で書いた「男の軌跡」で、’80年に歴史文学賞佳作入選。作家デビューを果たす。’89年、「東京新大橋雨中図」で直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kei302

50
同心から元・同心になり、ヒモになり、新聞記者に・・。展開がものすごく早い。仕事だけでなく、妻、母、家族、仲間との別れもあっけなく、さらっと淡泊に描かれている。でも弥一郎の心の中にはいつまでも家族への思いが残っている。江戸が東京に。簡単に切り替えはできない。苦手な幕末ものだが、出来事メインでなくて、翻弄されつつ、したたかに生きる人、悪あがきをする人に関わってしまった人などが生き生きと描かれ、読みやすかった。 2020/11/22

タツ フカガワ

18
南町奉行所で異例の若さで定町廻りに抜擢された金子弥一郎が、御一新後、新政府転覆の企みに巻き込まれて殺された恩人の仇を討つため、かつての岡っ引や手下とともに探索に乗り出す。というと捕物帳のようですが、弥一郎が魅力的な人物で、その彼と繋がる人たちとの交流が読んでいて楽しい一冊でした。たとえば芸者米八が弥一郎を口説く場面などいいですね。2019/10/02

サンディK32

15
純粋に愉しめた。ほろ苦く切ない第一章、新聞社で新時代に立ち向かう第二章、恩顧と義理で剣を遣う第三章。明治初期の同心上がりの青年、流転の人生。是非とも続編が読みたかった!杉本さん、早過ぎです… 因みに二章の柳河春三という方は勿論実在の人物で、最期は普通に鰻を食した後、喀血して果てたという、豪快な人。杉本さん好みの正しく“知勇の士” の様。この方が主題の本も読みたかった。2016/02/21

HH2020

4
◎ 幕末から明治へ、徳川から新政府へ、世の中は一変した。一変したと一言で片づけても、人の心はそう簡単に切り替えられるものではない。徳川への想いもあれば新政府への不満も渦巻く混沌の時代なのだ。同心だった金子弥一郎は、岡っ引から茶屋に鞍替えした金常の世話になりながら無為な日々を過ごす。そんな中、新政府転覆の企てに絡んで元与力内藤惣太夫が殺される。弥一郎は今や消滅したはずの同心に戻り仲間の成尾らとともに内藤を殺害した一味を探し出し仇を討つ。「同心」に「影」をつけ「江戸」でなく「東京」とした書名がなんともにくい。2018/07/09

星落秋風五丈原

3
幕末から明治へ。慶応三年、二五歳で異例の出世をし南町奉行所定回り同心となった金子弥一郎は、幕府の瓦解と共に、大切な家族や勤め先を失い、変わりゆく時代の中で懊悩する。やがて自分の行くべき道を見つけるまでの物語。もっとシリーズ化する予定だったのでは?と思わせるラストだった。2012/09/25

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