内容説明
文政十二年、神田から発した大火が江戸の町を焼き尽くす。八丁堀の「天女」と慕われるおれんが働く湯屋も、長屋も焼け、行方知れずの義父、想い人…。それでも庶民たちは、再興を目指し元気に立ち上がるが、悪事をはたらく者たちもいる。湯屋再建のため懸命に道を探るおれんの周りには、いつも人が、そして厄介事も集まってくる。
著者等紹介
諸田玲子[モロタレイコ]
静岡県生まれ。上智大学文学部英文学科卒。外資系企業を経て、翻訳・作家活動に入る。1996年、『眩惑』でデビュー。2003年に『其の一日』で第二四回吉川英治文学新人賞受賞。2007年に『奸婦にあらず』で第二六回新田次郎文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さなごん
28
シリーズものの二作目だったか。題名にだまされた。江戸時代の火事は怖い。そんなにうまくいく?と思いつつもハッピーエンドでよかった。2015/10/22
新地学@児童書病発動中
25
以前にくらべて、文章が単調になっているきらいはあるけど、一気に読める時代小説の佳作。火事によって焼けてしまった江戸の銭湯が舞台で、銭湯をもう一度建てようとするヒロインのおれんの奮闘が描かれている。焼け跡に建てられたお救い小屋の窮屈な生活もリアルに描かれていて、印象的だった。一癖もふた癖もある登場人物たちが、懸命に生活を立て直そうする姿はすがすがしいものだった。2012/09/21
星落秋風五丈原
18
文政12年、神田から発した大火が江戸の町を焼き尽くす。八丁堀の「天女」と慕われるおれんが働く湯屋も焼けてしまった。湯屋再建のため懸命に道を探るおれんの周りには、いつも人が、そして厄介事も集まってくる。おれんの過去が明かされる。2011/03/03
ビグ
17
天女湯ができるまでの話。おれんがなぜ湯屋を始めることになったかはもちろんの事、裏長屋の人たちのこと、弥助、権六、与平とおくめなどの面々が湯屋に集まったことなどが描かれている。やはりこのシリーズおもしろい。まだ続きあるようなので楽しみ。2021/05/01
万葉語り
9
一気読みでした。おもしろかったです。そしてこれが2冊目なのですね。火事と喧嘩は江戸の華とはいえ、おれんさんがこんな風に何もかも失った状況で前を向いて歩いて行けるのはすごいと思った。2013/09/27
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