出版社内容情報
ライトノベル世代に投げかける人生の問答集。
奇妙な操り人形が、母親のミスの収拾を試みる女子高校生に「人生を問う」１００の質問を投げかける。ライトノベル界のスターが挑む新感覚エンターテインメント。
内容説明
「いや吾輩は君には全然興味がないけど、世の中の正義にはもっと興味がないから」どん底だった私に、あいつはそう言った。親の事業が失敗して、マスコミに叩かれ、世界のすべてが敵に回っていたときに。助けてもらう代わりに、私はそいつと契約することになった。それは１００の質問に答えろっていう意味のわからないもので―追い詰められた少女と、尻尾の掴めない男が出逢うときに生まれる、奇妙で不思議な対話の先に待つものは…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エンブレムＴ
70
手を変え品を変え続いていく、答えのない禅問答のような物語。有名人の母と鉄火肌な自分の性格のせいで窮地に陥ってしまった女子高生・紅葉。彼女は自分達を助けてもらう代わりにある契約をする。それは『でびる屋』を名乗る者からの『１００の質問に答える』というものだった。・・・５つの作品が収録された連作短編集。だよね？などとつぶやいたら、糸で吊られた奇妙な人形が笑いながら登場して「誰に聞いてるんだ？」とか質問攻めにされそうｗ面白かった！でも、彼らって何者なの？続くのコレ？って、こっちが１００の質問をしたい感じではある。2011/09/03
柊龍司＠中四国読メの会＆読メ旅＆読食コミュ参加中
39
悪魔と問答するというか、ブギーポップの世界に通じる何かと屁理屈をかわし合うというか…通勤途中とか、少しずつ読むとかには向かないけど、一気に読む分には問答に振り回されて面白く読める。少なくとも、こういう話は私は好き。まだまだこの世界設定でのキャラクターの続編にも期待したい作品です。後書きにキャラクターを追加して本にした感じかなぁ。2010/12/13
Yobata
34
母親の事業失敗の穴埋めとして母親が頼ったでびる屋。その正体である神出鬼没の人形のハズレ君との問答をする羽目になってしまった葛羽紅葉は意図せず有名になってしまい…。100の問答が実際にある訳じゃなく、紅葉とハズレ君の会話の中に散りばめられながら物語が進む。問答の中身は普通とは？平均とは？価値とは？流行とは？神とは？悪魔とは？戦争とは？自由とは？といった道徳の授業みたいな人間の本質を問うもので、ハズレ君の答えはそんな授業の答えみたいなものではなく、恣意的であり悪意も篭ってるような答えで、おちょくってるような→2015/01/27
眠る山猫屋
24
まさかのブギーポップだったとはね。 シャーマン・シンプルハートってネーミングからして、若干怪しかったけど… 展開は最初ノロノロ手探りで始まったけれど、紅葉がハズレ君を受け入れるに従って加速、ｆｆが現れるに至って、一気に動き出す。ちょっと遅いけどネ。 啓蒙書の趣もあった物語は、やっぱりブギーポップの世界観に合流していきました。それにしても紅葉ちゃん、くれないさんとキャラクターかぶるんじゃないかなぁ…2012/10/30
ダージリン
18
読んでる間はわかった感じがするのに、読み終わると「あれ？」と思う（笑）。いつも上遠野さんの作品を読むとそう思うのだが、つい読んでしまう。キャラクターも好き！2011/01/03
