• ポイントキャンペーン

ジークフリートの剣

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062164535
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「あなたは、幸せの絶頂で命を落とす」世界的テノールである藤枝和行が念願のジークフリート役を射止めた矢先、婚約者・有希子は老婆の予言どおりに列車事故で命を落とす。ジークフリート同様に“恐れを知らず”生きてきた和行だが、愛する人を喪った悲しみのあまり、遺骨を抱いて歌うことを決意した。そして和行の前に現れた美女―。今年度「本格ミステリ大賞」候補作家の渾身作。

著者等紹介

深水黎一郎[フカミレイイチロウ]
1963年、山形県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院後期博士課程単位取得退学(仏文学専攻)。在学中に仏政府給費留学生としてフランスに留学。2007年に『ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!』で第36回メフィスト賞受賞。『花窗玻璃 シャガールの黙示』が第10回本格ミステリ大賞候補作になるなど、「芸術ミステリ」の旗手として高い評価を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

106
芸術探偵シリーズ第四弾。実質的には第二弾『トスカの接吻』の外伝的作品。うーん、これはなかなか感想が難しい…270頁の大半をオペラの蘊蓄で費やすのに、正直冗長さ感じるのは否めない。唐突に事件性帯びてくる第五章はもう既に209頁、ようやくミステリ感じ始めると怒濤の伏線回収に繋がるのはサスガ。ただ、ひたすら鼻につく和行の自信家ぶりや軽薄さには眉をひそめるばかり。いくらなんでも男女揃っての掌返しや開き直っての裏切りでは有希子が浮かばれない…それでこそラストでの死んで尚愛しい人に尽くす想いを際立たせるのは分かるが…2018/05/31

紅はこべ

97
芸術家小説、ミステリ、恋愛小説を合体。ミステリが一番薄かった。名探偵が突如現れて謎解きという、ちょっと御都合主義。冒頭の老婆はオペラに因んでいうと、『マクベス』の魔女か。預言は必ず成就される。メフィスト賞デビュー作家って大好きなタイプ(舞城王太郎)と、受け付けないタイプ(あえて名前は挙げません)に二分されるけど、この作家はまあまあかな。文章も読めるし。2016/11/17

ダイ@2019.11.2~一時休止

82
芸術探偵その4。トスカの接吻の番外編?。ドラマチックなラストがイイ。2014/03/25

かんらんしゃ🎡

58
実はオペラのうんちくは退屈だった。けど主役の日本人テノール歌手がなかなかの曲者で、女を口説くテクニックは得点高い。ところどころ入るユーモアや文章にも破綻がなく安心して読んでいける。ミステリーはおまけ程度だが、犯人が分かってからがさらに盛り上がる。退屈だったオペラ舞台に圧倒されて、このエンディングのために仕上げられたかと思われる小説。2018/01/20

rosetta

31
日本人には無理と思われていたバイロイト音楽祭でのジークフリート役を歌うことになった和行。音大で同窓だった有希子も同じ舞台に端役を貰う。自らの全てを和行の成功の為に捧げてきた有希子と音楽祭後に結婚の予定だったが、練習の休みに仕事で出かけたグルノーブルで列車事故に巻き込まれ死ぬ。和行はせめて一緒の舞台に立ちたいと遺骨の大腿骨を貰い受ける。作者の音楽の素養が存分に発揮され、オペラ歌手の仕事について手に取るように分かる。自分も声楽をちょっとだけ齧ったからいちいち頷けるし面白かったが興味のない人には退屈かも2021/01/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/653112
  • ご注意事項