パンとペン―社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い

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パンとペン―社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い

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  • サイズ B6判/ページ数 446p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062164474
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

弾圧の時代、社会主義者たちは「ユーモアと筆」の力で生き抜いた。堺利彦の素顔に、文学から光をあてる画期的試み。弾圧の時代、社会主義者たちは「ユーモアと筆」の力で生き抜いた。
堺利彦の素顔に、文学から光をあてる画期的試み。長編ノンフィクション誕生!

行き場のない社会主義者たちに生計を立てるための会社をつくり、交流の場を用意し、若者を教育したのが、
「日本社会主義の父」と呼ばれる堺利彦であり、その器が売文社だった。
寄る辺なき運動家たちを家族として迎え、また、明治の男には珍しい妻思いのフェミニストだった。
そんな堺の武器は筆とユーモア感覚。
その文才は、夏目漱石、森鴎外に注目され、尾崎紅葉、有島武郎、宮武外骨との親交、松本清張との意外な接点も。
筆の力を十二分に発揮した売文社は、大逆事件が起きた百年前に誕生した日本初の編集プロダクションかつ外国語翻訳会社だった。


<堺利彦のキャッチフレーズいろいろ>
社会主義者で投獄された第一号
女性解放運動に取り組んだフェミニスト
海外文学の紹介者で翻訳の名手
言文一致体の推進者
森鴎外に短篇小説を認められた平易明快巧妙な文章の達人
そして、軍人に襲われて暗殺されかけ
関東大震災では憲兵隊に命を狙われた男


【著者略歴】
黒岩比佐子(くろいわ・ひさこ)
ノンフィクション作家。1958年東京生まれ。慶応義塾大学文学部卒。
『「食道楽」の人 村井弦斎』で第26回サントリー学芸賞、『編集者 国木田独歩の時代』で第6回角川財団学芸賞を受賞。
主な著書に『音のない記憶―ろうあの写真家 井上孝治』『伝書鳩―もうひとつのIT』『日露戦争―勝利のあとの誤算』
『明治のお嬢さま』『古書の森 逍遙―明治・大正・昭和の愛しき雑書たち』など。




黒岩 比佐子[クロイワ ヒサコ]
著・文・その他

内容説明

夏目漱石から松本清張まで多くの作家との意外な接点。日本初の編集プロダクションかつ翻訳会社を率いて「弾圧の時代」をユーモアと筆の力で生き抜く姿。社会主義運動家に文学から光をあてる画期的試み。

目次

一九一〇年、絶望のなかに活路を求めて
文士・堺枯川
日露戦争と非戦論
“理想郷”としての平民社
「冬の時代」前夜
大逆事件
売文社創業
『へちまの花』
多彩な出版活動
高畠素之との対立から解散へ
一九二三年、そして一九三三年の死

著者等紹介

黒岩比佐子[クロイワヒサコ]
1958年東京生まれ。慶応義塾大学文学部卒。ノンフィクション作家。『「食道楽」の人 村井弦斎』(岩波書店)で第二十六回サントリー学芸賞、『編集者国木田独歩の時代』(角川選書)で第六回角川財団学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

23
社会主義者堺利彦の評伝。彼がつくった日本初の編集プロダクション『売文社』のことを中心に、彼とその周辺の人物たちに焦点をあてた労作。彼は親友の幸徳秋水と大杉栄のような悲劇的な死を迎えなかったためか彼らほど有名ではない。人を喰った名前の売文社は、当時の社会主義者たちの『冬の時代』に、同志たちがなんとか生活するためになんでもござれの文章書きを請け負っていた。ユーモアあふれる堺の人格やと当時の世情と人間群像がよく分かる。 この著者はこの作品の執筆途中で病気がわかり、この作品が遺作になったしまったようだ。文庫有り。2014/03/19

ステビア

21
初期社会主義者の伝記。柔軟でしなやかな知性をもった人物だったようだ。2022/08/06

とみやん📖

15
緻密な取材と圧倒的な情報量で、売文社と堺利彦に迫った本。 日本の社会主義者の源流にある人物だが、恥ずかしながらほとんど知識がなかった。当局の締め付けが厳しい中、生活の糧として、翻訳や代筆、出版などを手がけ、多くの同士を養ったバイタリティに感服せざるを得ない。ただし、この時代にもし自分が生きていたら、反社会的勢力とみなして、関わりを避けていただろう。 堺利彦の文才とユーモアに関心が高まったので、作品をいつか読んでみたい。「へちまの花」が特に気になった。2018/03/31

ばんだねいっぺい

11
ペンをもって、パンを得て、得たパンを同士に分け与えた堺氏は、偉大。2015/09/16

勝浩1958

9
なんという強靭な精神力としたたかさ、そしてどんな苦境にあってもユーモアを忘れない懐の深さか! これまであまり語られることのなかった『売文社』での堺利彦の奮闘ぶりが今に甦る。2011/03/10

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