トレイシー―日本兵捕虜秘密尋問所

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  • サイズ B6判/ページ数 381p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062161572
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0095

内容説明

零戦の性能、大和の構造、軍需工場の内部、暗号の詳細…アメリカ軍はどのようにして重大機密を獲得したか?長らく米側で秘匿されていた「日本必敗」の構図。最強の日本兵は、かくも容易に口を開いた。

目次

プロローグ 丸裸にされた日本列島
第1章 捕虜秘密尋問センターの罠
第2章 空母「飛龍」と潜水艦呂号第61の男たち
第3章 A―airシリーズと爆撃目標情報
第4章 陸軍省日本資料会議
第5章 ワシントンの日本人捕虜第一号
第6章 ブロッサム
第7章 硫黄島の秘密
第8章 盗聴された大島浩大使
第9章 それからの太平洋戦争
エピローグ 尋問官長ウッダードと靖国神社

著者等紹介

中田整一[ナカタセイイチ]
ノンフィクション作家。1941年熊本県生まれ。1966年NHK入局。プロデューサーとして、現代史を中心としたドキュメンタリー番組の制作に携る。文化庁芸術祭優秀作品賞、日本新聞協会賞、放送文化基金本賞など受賞多数。退局後、執筆に専念。著書に、毎日出版文化賞と吉田茂賞を受賞した『満州国皇帝の秘録―ラストエンペラーと「厳秘会見録」の謎』(幻戯書房、2005年)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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遥かなる想い

169
第32回(2010年)講談社ノンフィクション賞。 第二次世界大戦における日本兵捕虜秘密尋問所「トレイシー」での真実を描いた作品である。 太平洋戦争中、アメリカは 尋問センターで 日本人捕虜に対して、何をしたのか? 捕虜になった日本人は 何を話したのか? 硫黄島での出来事…日本兵 「サカイタイゾウ」の真実が 心に残る。 情報戦でもあった 太平洋戦争の側面を 描いた、作品だった。 2018/07/08

Ted

10
'10年4月発行。軍事捕虜となった日本兵の中で情報価値の高い者を米本土へ移送し、秘密尋問所で“人道的”待遇を装いながら裏で徹底した盗聴を行ない、機密情報を根こそぎ奪い去っていった過程が描かれている。敵の掌の上で日本人が丸裸同然にされていく様には実に歯痒い思いがするが、同時に「戦略ということの本当の意味」や「情報取得という大目的と、敵に対する感情とを冷徹に分ける合理性」等、学ぶべき点も多い。他民族を征服する際に傾ける米国の尋常でない執拗さと緻密さを理解するには日本人は余りにナイーヴすぎるのかもしれない。2011/12/14

Wataru Hoshii

7
拷問を受けるわけではない。話してしまった方がいいのか、それとも黙秘を貫くべきか。自分だったらどうするか、深く考えさせられる。情報を話した捕虜も、その情報を送って結果的に日本に空襲の被害をもたらした尋問官も、共に深い後悔と罪の意識に苛まれながら、沈黙のまま戦後を生きた。その沈黙の重さの前に、安易に言葉を発することはできない。そしてインテリジェンス(情報収集・分析)の重要性を日本人はいまだに十分に認識していない。戦争の現実をリアルに伝える一冊。2010/06/04

しんこい

6
アメリカは物量だけでなく情報でも徹底して集め分析、とにかく徹底していたことをここでも知りました。日本語にしても教育して要員を増やしてと、日本の場当たり的対応とは大違い。大本営の英訳がGHQとは初めてしりました。2013/04/21

ののまる

5
昔にドラマで観たような記憶のある、日本兵捕虜秘密尋問所。もう圧倒的に情報戦で当時の日本、負けですわ(今もか)。2023/10/06

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