出版社内容情報
現在と共通点の多い奈良時代の意外な実像。
超格差社会、国際交流の陰で感染症が流行。巨大公共事業のおかげで政府は財政危機。天皇から庶民まで、平城京に生きた人びとの姿を通じて描く最新の奈良時代史。
内容説明
超格差社会。国際交流の陰で感染症が流行。突然の政権交代。巨大公共事業のおかげで財政危機…。現代と共通点の多い激動の時代を、天皇から庶民まで、平城京に生きた人びとの姿を通じて描く歴史読み物。平城京の豆知識や最新のトピックをまとめた、おもしろコラムも満載。
目次
序章 五分でわかる平城京の時代
第1章 藤原不比等と持統天皇―平城京をつくったフィクサーと炎の女帝
第2章 長屋王と藤原四兄弟―セレブ宰相の悲劇と疫病の脅威
第3章 聖武天皇と藤原広嗣―巨大公共事業・大仏建立とその反動
第4章 行基と鑑真―勇気と信念の名僧たち
第5章 橘諸兄と吉備真備―棚ぼた政権交代と異能のテクノクラート
第6章 光明子と藤原仲麻呂―美貌の皇后と二枚目権力者
第7章 阿倍仲麻呂と藤原清河―国際派エリートの光と影
第8章 孝謙天皇と道鏡―純愛かスキャンダルか
第9章 桓武天皇と早良親王―そして新しい都へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遊未
9
楽しんで読むことができました。早足ではあるけれど、しっかり通説、諸説、ゴシップ(?)の紹介もあります。渤海との交易のお話は興味深く、豹柄毛皮の貴公子なんて想像するだけで楽しめます。鑑真の晩年は何を思われたでしょう。当時の人々が送り出した遣唐使の帰国にも手を尽くしていたことがわかります。2020/06/21
湯一郎(ゆいちろ)
4
平城京に行ってすぐなのでいろいろ感慨深い。少し前に見た空海の映画や、漫画『阿・吽』とも繋がる。最後の印刷物百万頭陀羅尼が称徳天皇の時代だったというのも面白い。なんとなく男性天皇の時代とばかり思っていた。奈良時代。結構いろいろある。これ一冊で奈良時代を概観できたので、もう少し細かいところを追いかけてみたい。
うきぽんぬ
3
奈良行く前に知識を得ようと何冊か手にとりましたが、この本は群を抜いておもしろかった!分かりやすい、浪漫がある、もっと知りたくなるの3拍子👏結構えげつないエピソードも盛り込まれており頭から離れない😂著者はTV「歴史探偵」の解説でもお馴染みの河合敦先生。あの穏やかな河合先生の意外な一面にも出会え、更に他の本も読みたくなりました♪2023/09/27
チャック
1
読みやすく 奈良時代の解説にはもってこいだと思います。 歴史上の人物 一人一人がわかると 小説を読むのが楽しくなります。 ところどころにあるコラムの面白いです。2016/11/26
たかとう
1
読みやすかったし面白かった。各章特定の人物を取り上げてその周辺を開設しているんだけど、その合間合間にコラムがあって、そこで当時の文化や社会の細かい様子がわかるようになっている。これ一冊で奈良時代のことはおおよそ頭に入ると思う。2010/11/10