世の中への扉<br> 野生動物のお医者さん

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世の中への扉
野生動物のお医者さん

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  • サイズ B6判/ページ数 98p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062159289
  • NDC分類 K649
  • Cコード C8095

出版社内容情報

野生動物専門獣医師の目から見える地球環境
野のものは野へ帰してやりたい!
映画『ウルルの森の物語』のモデルでもあり、絶滅の危機に瀕した猛禽類の治療にあたる、野生動物専門の獣医師の仕事を追う。

齊藤 慶輔[サイトウ ケイスケ]
著・文・その他

内容説明

釧路湿原の中にある野生生物保護センターで、絶滅の危機にひんしたオオワシやシマフクロウなどの猛禽類を治療する獣医師。「人間が、野生に帰すのは無理だと判断してしまえば、それで終わってしまう。野のものは、野へ帰してやりたい」と語る齊藤氏の仕事のゴールは、傷の完治ではなく、動物を野生に帰すこと。日本ではまだめずらしい野生動物専門の獣医師の立場から、野生動物の現状や、命の重みとは?といったさまざまな問題に深くせまります。

目次

第1章 野生の鳥を診る獣医師
第2章 野から来たものは野に帰す
第3章 野に帰れない鳥たちと向き合う
第4章 “ザルの目”をふさいで絶滅をふせぐ
第5章 シカ肉にひそむ「毒のつぶ」
第6章 たちこめる暗雲、しかけられたわな
第7章 ベルサイユの森から始まった
第8章 助けてやれなかった命
第9章 なぜなら、そこに苦しんでいる鳥がいるから

著者等紹介

齊藤慶輔[サイトウケイスケ]
1965年、埼玉県生まれ。獣医師。1994年より、釧路湿原野生生物保護センターを拠点に、希少猛禽類の救護や野生復帰などの保全医学的な研究にたずさわる。北海道‐サハリン間の“渡り”をしながらオオワシの保護活動を行うとともに、猛禽類における鉛中毒の根絶にも力をそそぐ。2008年、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演し、多くの反響を集める。猛禽類医学研究所代表。環境省希少野生動植物種保存推進員、北海道地方環境事務所調査研究員、オオワシ・オジロワシおよびシマフクロウ保護増殖分科会検討委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

千冬

11
何より風力発電の風車で多くの鳥が犠牲になっている事実に目から鱗が落ちた。極論みたく言ってしまえば「地球環境を守るために野生動物を犠牲にする」ということか。エコの影に隠れる矛盾。何事も多面的、多角的に物事を見る大切さに改めて気付かされた。 何も教科書に載っていない、先達に助言を得ることもできない、試行錯誤で前進していく仕事。非常に困難で大変そうではあるが、信念とやりがいが文面から伝わってきて、理想の仕事とは何か、を真剣に考えさせる。良かった。2012/01/20

hoguru

8
NHKで上橋菜穂子さんとの対談をみて、息子が著者、齋藤さんのようになりたいと言う。今わが家の猫15才が末期の腎不全で、春休みは毎日動物病院への通院の付き添いだった。春休み中には亡くなる、私は息子の前で泣いてしまうこともあった。そんな中息子は獣医さんの仕事に憧れをもった。旅先で車にひかれる野生動物、絶滅危惧種を目にした興奮、齋藤さんの存在、いろいろな出来事が「野生動物のお医者さん」に繋がったそうだ。人間と野生動物の「折り合い」齋藤さんのバランスのとり方が素敵だと思う。今猫は家で毎日点滴をして暮らしている。2016/04/24

どあら

6
この本で、猛禽類の現状がよくわかりました。2014/04/21

ユーグ

6
風力発電の巨大なハネに切られ命を落とす野鳥達。エコだエコだと地球を守っているつもりでいる人間。野鳥の暮らしに支障が出ると分かっているのに目をそらし開発をする現実。目をこらせば野生に生きる動物たちを、絶滅に追いやっているのは人間だったり。でも一つでも多くの野生の命を救おうと奮闘するのも人間。いろいろ考えさせられた。2010/04/09

ジュリ

5
著者は野生動物の治療をしているだけでなく、保全活動やジャーナリズムなどの活動もしている。治療だけだと野生動物が傷つくことを根本的に防げないけれど、保全活動などをすれば根本的なことにつながる。こういった広い視野を持って活動する人が増えるとよいと思うし、自分もそういったことをやらなければならないと思う。2018/09/09

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