出版社内容情報
「わたし」より先に脳は考えている 「わたし」は脳の作り物にすぎないのか？
文章とイラスト（オールカラー）のコラボレーション 新しい科学読み物！
脳と身体の不思議な実験
●自我を身体から遊離させる
●身体を他人とすり替える
●ゴムの腕が自分の腕になる
●3本の腕をもっていると感じる
坂井 克之［サカイ カツユキ］
著・文・その他
榎本 俊二［エノモト シュンジ］
著・文・その他
内容説明
「わたし」より先に脳は考えている。「わたし」は脳の作り物にすぎないのか？文章とイラストのコラボレーション新しい科学読み物。
目次
第１章 僕はどこにいるの？
第２章 この身体は僕のもの
第３章 頭を使っているのは僕？それとも僕を使っているのは脳？
第４章 脳が絵を見ることで僕が生まれる
第５章 僕の想いと脳の想い、そして身体のドキドキ
第６章 「わたし」を探して！
著者等紹介
坂井克之［サカイカツユキ］
１９６５年、兵庫県生まれ。東京大学医学部医学科卒業後、東京大学医学部附属病院などに勤務。東京大学医学系研究科大学院博士課程修了後、ロンドン大学リサーチフェローを経て、東京大学大学院医学系研究科准教授。認知神経科学、神経内科専門医、医学博士。ヒトの心の働きの脳内メカニズムについて脳画像を用いて研究している
榎本俊二［エノモトシュンジ］
１９６８年、神奈川県生まれ。日本映画学校卒業。「月刊アフタヌーン」四季賞でデビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
37
2009年刊。意識とは確固たる主体だと考えがちだけど、実は違うらしい。脳の各部で行われる情報処理、及び身体各部の反応、この二つに起因する信号が「その時々に作り出す幻影」が意識の正体らしい。すごく難しそうな命題を、脳学者の著者はとんでもなく分かりやすく説明する。何かを「しよう」という意識が後付けの幻影に過ぎないなんて、何とも怖くて面白い。しかもこれは入口で、他者の自我の問題、過去や未来を想像できる問題など、謎は果てしない。挿絵は漫画家の榎本氏(下品でシュールな迷作『えの素』の作者)。意外とマジメに描いている2021/05/31
すー
4
ラバーハンド実験や二人羽織実験などの視覚と触覚を用いて「わたし」という感覚がどれだけ揺らぎやすいものかを示す実験や、リベットの遅延実験、電気刺激による幽体離脱実験といったどこにも載っているような有名どころの実験が分かりやすくまとめてある。先生と男の子の対話形式で進む理解しやすい説明と、可愛らしいイラストとが相まってとても読みやすい。「わたし」と脳の関係についてちょっと知ってみたい人におすすめ。2011/10/20
サンジェルマン伯爵
2
めっちゃ難しい話をめっちゃわかりやすいイラスト付きで書いてある。ドグラマグラより読むと頭がおかしくなりそうと思いました(人間は行動の理由を知覚する前に脳から身体を動かせという指令が出ているとか書いてあるので)2022/12/04
心美
2
わたしたちが日常感じている自我は確かで絶対的な存在です。その「わたし」は脳と身体の相互作用の結果として生まれてくる。身体は脊髄、末梢神経を通して脳とつながっている。そして身体の様々な感覚情報が脳に送られ、また脳から様々な制御信号が送られている。このことから、「わたし」は脳に限らず身体中にはりめぐらされた全神経ネットワークから生まれてくるともいえる。ただし身体のすべての情報が集約する場として、脳が「わたし」の成立の中枢であることは確かなのではないでしょうか。と作者は記されている。2010/02/09
ハルトライ
0
実験の結果分かったことをわかりやすく噛み砕いて伝えている本。逆に、考察等を一切行っていないし、噛み砕いた分（なるべく努力はしているのが分かるが）細かいところのフォローがどうしても足りないところもあったりするけれど、イラストと相まって、なかなかの良書かなと。これを読んでから、他のもっと専門的な本を読むと、理解が数倍早いと思う。2014/04/12
