内容説明
10歳ではじめて酔っ払い、14歳で初のブラックアウト。15歳でクスリを始めた。クラック、スピード、LSD…ある日ブラックアウトから目を覚ますと、前歯がなく、鼻の骨が折れ、血まみれで飛行機の中にいた。なにがあった?なぜここにいる?どうやったら逃げられる?ぼくはいったいだれだ?アルコールとドラッグ漬けのイカれた連中ばかりが集まる矯正施設で、ぼくを治そうというイカれた人々。無理だ、やめてくれ、生きる価値などないんだから―。記憶のかけらを一つ一つ拾い集めながら、自分自身を取り戻していく23歳の青年の魂の軌跡。全世界に衝撃と感動を呼び起こした半自伝的ベストセラー。
著者等紹介
フレイ,ジェイムズ[フレイ,ジェイムズ][Frey,James]
1969年、オハイオ州クリーブランド生まれ。映画の脚本、監督、プロデュース等を手がける。『こなごなに壊れて』で出版デビュー
武者圭子[ムシャケイコ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
67
依存症は魂の病であり孤独という業火に苛まれる病理。全てのつながりを断絶する霊魂の病であると思う。人間を人間たらしめる理性を破壊しむき出しの本能によってのみコントロールされる最も醜悪な病理だ。人間によって傷つけられ人間によって再生させられていく「蘇生」の力を互いに「信じる」力を取り戻しながら依存症更生施設で繰り広げられる主人公ジェイムスが失った人間性を取り戻していく回想録は感動のノンフィクションとして全米で300万部のヒットを記録する感動作。泣いた。2013/07/17
たまきら
6
とにかく全編とてつもない疾走感…と思いつつ読んで気づいた。あ、ヤク中&アル中の時間の観念って、こんなもんなんだ…と。バロウズの独特の世界観に比べると全くあっけらかんとしていて、どこまでが本当でどこまでが創作なのかなやみました。女子の部分が創作でありますように。ほんと、薬はやばい。2015/07/30
もんた
3
全てが、死ぬことも生きることも何もかもが絶望で何も信じることができない。恥と悔いしかない人生を終わらせるという選択を出来る中で友のために愛する人のために常識を覆した。もう無理という状況で自分の気持ちと葛藤する場面は私も通じるものがあり何度も涙がながれそうになった。何度でも読みたいし沢山の人に読んで欲しいと思った。全てがよくなることはないかもしれないけど自分も負けずに頑張ろうと思う素晴らしい作品だった2015/06/27
ろしこ
3
恐怖は恐怖だ。自分で自分を傷つけない限り、恐怖がぼくを傷つけるだろうか。恐怖が痛いだろうか。大丈夫だ。毎日、毎時間、毎分、頑張りつづければ。それを毎週、毎月積み重ねていけば。大丈夫だ。乗り切っていける。そのくらいは強いはずだ。恐怖に立ち向かって、それが、消えるまで頑張れるくらいは強いはずだ。そういう自分を信じるんだ。(P.465)2011/01/15
桐一葉
2
自らの弱さを受け入れてゆく人は強い。その経緯を見せてくれはった。あらゆる依存症を解決するには神様にすがったり、言われたことをしていれば順調に正しい道へ進むことができる。そんなはずはない。それではまた別のものに依存しているだけ。何も変わらへん。自らの失敗を認め、恐怖に打ち勝つ勇気をもつことが唯一の方法に思えた。そして人を思い遣る気持ち。最後の2ページは辛かった。2016/06/04
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