内容説明
1789年7月。アルプスに近い国境、城砦司令官の娘アンジェリクは、パリの寄宿学校に通う従弟から革命の話を聞く。密かに憧れていた美貌の貴族青年との結婚が間近に迫っている時だった。その夜突然、城砦を民衆が襲う。炎の中ですべてを失ったアンジェリクは、凶悪犯として投獄されていた少年と共にパリを目指した。家も、仕事もないままに犯罪者の仲間に身を落とし、婚約者の行方を探すが…。革命の渦中を生きる人々の愛憎と成長を精緻な筆致で描き出す筆者渾身の書き下ろし傑作長編ロマン。
著者等紹介
藤本ひとみ[フジモトヒトミ]
長野県飯田市生まれ。西洋史への深い造詣と綿密な取材に裏打ちされた歴史小説で脚光を浴びる。フランス革命からナポレオンの時代までを主な題材にすえ、秘められた歴史に光を当てた作品を執筆、高い評価を受けている。パリに本部を置くフランス・ナポレオン史研究学会の日本人初会員。フランス政府観光局親善大使を務め、現在フランス観光開発機構(AF)名誉委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yuna Ioki☆
39
1617-48-48 初読み作家328人目。フランス革命時の一般市民の生活はこんな感じなのかな。それにしてもアンジェリクは男運ないわね(笑)マリアンヌをはじめ特権階級の人や特権階級におもねる人達っていやな人が多いわね(´`:)2017/05/27
星落秋風五丈原
16
1789年、城砦司令官の娘アンジェリクは、パリの寄宿学校に通う従弟から革命の話を聞く。その夜突然、城砦を民衆が襲い、すべてを失ったアンジェリクは、凶悪犯として投獄されていた少年と共にパリを目指すが…。 2010/08/26
トーヘン
3
書き流した感じで読みやすいのだが、どこかに裏をかくところがあった藤本先生らしからぬ「テンプレ」の嵐で少々物足りない感があった。2014/06/16
ここは
3
藤本作品は久しぶりだけど、こんなに翻訳物みたいな文章だったっけと思いながら読んでいた。そしてゴロンのアンジェリクとなにか関係があるのかと思って手に取ったのだが何も関係がなかったらしい。この頃のフランスネタは大好きなので、これも楽しく読んだのだけど、ラストはこれで終わりなんだろうか。続きが読みたいな。2013/08/30
りゃ
2
フランス革命中の一般人のお話。主人公が驚くほど前向きで、時代に翻弄されるなか自身の見の振り方にあれだけ前を向いて生きていかれるのはいいのだけど、恋愛に関してはあれだけ裏切られ続けても信じて待つと決められるのは…この子は賢いのか愚かなのか…。終わり方はとても素敵でした。2012/09/01