内容説明
「高金利」「元本保証」を謳い文句にした金融商品は、FXよりも危ないギャンブルだった。投資家のリスクを回避するために開発されたはずの金融技術は、メガバンクや証券会社が暴利をむさぼるために悪用されていた。日本中にまき散らされた“汚染”が、自治体や大学、企業、病院や公益法人など、この国の未来を支える幾多の組織を蝕んでいる―。ベストセラー『金融工学の悪魔』『スタバではグランデを買え!』の著者が緊急告発。
目次
第1章 日本を覆う深刻なデリバティブ汚染(地方自治体を蝕むデリバティブ汚染・運用編;大学や財団、そして金融機関さえ蝕むデリバティブ汚染)
第2章 安全にみえることの危険性(元本信仰のまちがい―物価安定に慣れすぎた日本人;円相場の基本的な考え方)
第3章 未来を地獄に陥れる金融技術(「満期についての選択権」の隠された破壊力;地方自治体を蝕むデリバティブ汚染・借金編)
第4章 元本は保証でなく消滅(明らかな欠陥金融商品を売るメガバンク;デリバティブ汚染を放置する日本)
著者等紹介
吉本佳生[ヨシモトヨシオ]
経済学者(エコノミスト)。1963年、三重県生まれ。名古屋市立大学経済学部卒業後、住友銀行勤務を経て、同大大学院経済学研究科満期退学。大学や企業研修などで、生活経済学、国際金融論、経済数学、ファイナンス論などの講義・演習を教える経験をもち、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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christinayan01
1
他の本と違い商品にフォーカスしている点が異質であり良い点である。顧客目線としてのデリバティブがいかに糞であるかが最もよく分かる1冊。 この手の本は証券化技術とかに話を持っていきがちであり、それだと理解できる読者も限られていたが、この内容であれば誰でも理解できるはず。本書では例として為替のデリバティブ商品で物語仕立てで解説されるが、円安でも円高でも損をする。その理由が非常にわかりやすい。素晴らしいと思う。2018/06/08
seminoles
0
難しかったがとてもためになった。メガバンクが消費者が確実に損をする金融商品を売っているなんて、税金を投入して救ったのがバカみたい。2011/06/21
tegege
0
普通預金が最も優れた金融商品で、デリバティブがいかに損をする方策か。さまざまな観点で照明を試みるエッセイ。2011/06/19
アルゴン
0
★★★★☆先送りするのは、日本人の習性なのか、日本人に限らないことなのか。いずれにせよ、知らないということは恐ろしい。2010/10/23