出版社内容情報
部活は園芸部。それも素人男子3人だけの。
入学間もなく、思いがけず園芸部に入部した高1男子3人。凛と芽を伸ばす植物の成長と、思春期を迎えた不器用な少年たちの姿が重なり合う、春から秋の物語。
魚住 直子[ウオズミ ナオコ]
著・文・その他
内容説明
高校生活をそつなく過ごそうとする、篠崎。態度ばかりでかい、大和田。段ボール箱をかぶって登校する、庄司。空に凛と芽を伸ばす植物の生長と不器用な少年たちの姿が重なり合う、高1男子・春から秋の物語。
著者等紹介
魚住直子[ウオズミナオコ]
1966年生まれ。山口・広島で育つ。広島大学教育学部心理学科卒業。『非・バランス』で第36回講談社児童文学新人賞を受賞し、1996年に同作品でデビュー。2008年に『Two Trains』(学習研究社)で第57回小学館児童出版文化賞を受賞。東京都在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
92
(知人紹介)園芸部ですか・・・。読む前はイメージが全くつかめなかったですが、いきものを大切にする気持ちと、そのつながり。ほのぼのとして温かい。三者三様の3人組の個性も楽しい。元ヤンの部長に”箱”少年。特に元ヤン部長が校長から表彰状を受け取るところは少しスカッとする。合宿のオチも微笑ましい。そして「不審者の挟み撃ち」の表現には(スタバで)思わず笑った。2012/02/18
七色一味
88
読破。読みはじめてすぐ、篠崎と大和田とはどこかで出会ってる、そんな…既視感に見舞われた。ただコミックもどちらも既読になっておらず、悶々としながらページを繰り、ハタと気がついた。コミックの無料お試し電子書籍だ。だからBBは記憶にないんだ。☆舞台は高校、でもあまりにまっすぐすぎるきらいがあって、その部分どうなのよ、とは思う。大和田の中学時代の友達との絡みは、特に後の部分は唐突感が。これ、それぞれ別の視点からの物語にすると、もっと面白いんじゃないかな。おススメ。2017/12/28
naoっぴ
78
清々しくていい話でした。そうそう、植物ってちゃんと答えてくれるんですよね。世話をしてあげただけ育つ!ひょんなことから園芸部に入部してしまった高1男子達が、そんな草花たちの魅力に目覚め成長していくストーリー。部員わずか三人。俺と、ひとりは元不良、ひとりは引きこもりという濃すぎるキャラの仲間達だけど、少しずつ絆が深まり、それぞれの悩みを乗り越え、自分の殻を取り去っていく過程に心があたたかくなります。それと、大和田くんの眉毛の変化を見てみたい(笑)2017/03/06
ぶんこ
66
見た目普通の篠崎と、見た目不良の大和田が入学した高校の裏庭?で、偶然枯れかけていた花に飲み終わった水をかけたら、翌日花が生き返っていた。植物の生命力に興味を持った二人が、積極的にではないものの園芸部として活動を始め、ダンボールを被って相談室登校をしていた庄司が加わる。人は見かけによらぬもので、大和田君が実にいい。彼の良さを素直に認める篠崎君もいい。この二人と花を育てるうちに庄司君も素顔をさらせるようになるし、大和田君も不良っぽい見かけを自らただす。枯れかけた花壇を見過ごせない姿勢にグッときました。2016/09/14
neimu
61
変わった題名の本だなと手に取り、児童書かと少し先入観を持ち、素直で読みやすい文体に引き込まれ、父の遺した家庭菜園や庭木の手入れに四苦八苦している自分としては、園芸の話に引き込まれ、あっという間の1時間読書だった。それぞれの家庭環境、生い立ち、性格、友達、学校、部活動。虐めや不登校、周囲や教師、親との微妙な距離感。思い出すと切なくて辛くなるような、青春の思い出が蘇る。それぞれが良いキャラだ。ステレオタイプではあるけれど、人は見かけによらぬもの、種から芽が出て生長するように、人も又、心と体に水を得れば。2023/09/27