内容説明
卒業パーティに向けた映画作りは、今日もにぎやかに進んでいた。ぼくが構えるビデオカメラの向こうには、かけがえのない、最高の仲間たち。だから、ぼくは思ったんだ。このままずっと、みんなでいっしょにいられたらいいのに、と―。変わらないことを願う心が、変わりゆく日々の中で揺れる。仲良しクラスの男子生徒１２人のまわりでおこる、少し不思議な物語。第４９回講談社児童文学新人賞佳作受賞作。
著者等紹介
如月かずさ［キサラギカズサ］
１９８３年、群馬県桐生市生まれ。東京大学教養学部卒業。第４９回講談社児童文学新人賞佳作を『サナギの見る夢』で受賞。第７回ジュニア冒険小説大賞受賞作、『ミステリアス・セブンス―封印の七不思議』（岩崎書店）でデビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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anne＠灯れ松明の火
13
隣市で。読メご紹介の初読み作家さん。まもなく中学生になるワタルは、今のクラスが大好きで、このままでいたいと思う。でも、私立を受験する者もいるし、時を止めることもできないと知っている。家庭では、母親が再婚を考える人とのお試し同居を提案。どこにいても、自分の気持ちを押し殺し、いい子の顔をするワタルが何となく歯がゆい。もっと我がままでもいい、自分の気持ちに素直になっていい、と言ってあげたくなる。モチロン、話が展開する中で、そうなってゆくのだけど(^^)2014/02/12
ミルクみるく
10
この本，私の学年でかなり流行っています！2010/12/09
BlueBerry
6
まあまあ面白かったけどラストは有り勝ちで少々物足りなさも感じてしまった。お子様向けだから仕方ないのかな・・・。2013/03/27
雪丸 風人
5
主人公は卒業を控えた小学六年生。策士な優等生男子。ぶ厚い仮面をかぶり、家でも学校でもそれなりに上手くやってきたつもりの彼が、否応なく運命に流され、危機に瀕し、やがて新しい自分を見つけます。変化を恐れなくていい、変化を急がなくていい、強く願えば変わらないことだってある、そんなメッセージが溢れる作品ですね。現状維持にこだわる主人公の冷たさにギョッとする場面もありましたが、彼が素晴らしい仲間に囲まれていたのが救いでした。素直な気持ちを伝えることの大切さを実感できそうな本です。（対象年齢は11歳以上かな？）2020/04/02
ぴょこたん
4
小学校卒業を前にして男子全員が仲の良いワタルの組は映画を撮ることに。だがその登場人物の「仮面のピーターパン」が実在するという都市伝説が聞かれ始めた。 一方ワタルの家には母の再婚相手候補の桜井さんが予行練習として家に住むようになった。父が亡くなった時「母さんを頼む」を言われたワタルは母の幸せを考え自分の気持ちを押し殺し生来の演技力でこのことを乗り越えようと考えていた。最初は軽く見ていたがたいしたもんです。 読後題名について思いをはせられる作品はいいものだ。 また表紙も読み途中でつい確認したくなったよ。 2010/07/25
