絞首刑

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062155519
  • NDC分類 326.41
  • Cコード C0095

出版社内容情報

確かなこと、かくしてボタンは、押される。
裁判員制度が始まり、貴方も誰かを「死刑」にする権利を手に入れた。必要なのは「存置」か「廃止」かという机上の論ではない。執行現場で起きているリアルだけだ。

内容説明

「存置」か「廃止」か、ではない。描かれるのは、徹底的にリアルな風景だけ。裁判員制度の導入で貴方が得るもの、それは、どこかの誰かを死刑にする可能性。加害者本人や被害者遺族、刑務官、教誨師、検察庁幹部…。それぞれの口の端から零れる懊悩と逡巡、そして、自らの手で死刑を確定させた男からの手紙に書かれる酷薄な論理。さまざまな現場の声を拾うことによって再現される、執行のボタンを押すという「作業」にまつわる、あるがままのリアル。

目次

1 かくしてボタンは押される
2(“少年”―1;栃木・今市4人殺傷事件;“少年”―2;愛知・半田保険金殺人事件;“少年”―3;埼玉・熊谷4人拉致殺傷事件;“少年”―4;福岡・飯塚女児殺害事件;“少年”―5)

著者等紹介

青木理[アオキオサム]
ジャーナリスト。1966年、長野県生まれ。慶應義塾大学卒。1990年、共同通信社に入社。大阪社会部、成田支局を経て、本社社会部の警視庁担当に。警備・公安担当となり、その経験を基に『日本の公安警察』(講談社現代新書)を執筆した。ソウル特派員を務めた後、2006年に同社を退社してフリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

そのぼん

27
『死刑』について描かれた一冊でした。ジャンル的にはノンフィクション・・・か、ルポルタージュかに入るのかな。一番最初の章で描かれていた死刑執行の描写が妙にりアルで、読んでいてしんどかったです。凶悪な犯罪が多い世の中、死刑制度について世間で色んな意見がありますが自分のなかでは正直難しくて答えは出ませんでした。2013/09/22

Maiラピ

23
『死刑はやむを得ない』派だが、この本を読んで少し立ち位置を廃止派寄りにした。死刑囚の心の叫び、被害者遺族の逡巡、執行に携わる刑務官、教誨師の煩悶、何度も溜息。最後の福岡・飯塚女児殺害事件はもし冤罪なら・・・と茫然とする。少年シリーズは真摯な大人との関わり合いが、当時の少年だった彼らに不足したものじゃなかったかと感じた。表面的には知ってた事件がほとんどだったけど、多くの人が関わり、複雑に人の気持ちも変遷し、<抽象的な死刑という単語の向こう側に、数多くの苦悩と煩悶が渦巻いている>のを見た気がした。2012/10/28

まど

10
死刑を取り巻く人々の迷いや苦しみが迫ってきた。自分が重大事件の裁判員になったらどうしよう。今まで切り紙的に死刑をとらえていたんだなとわかった。どんな「償い」がよいのか難しい。造本・装丁がオカルト雑誌みたいで怖い。普通でいいのに。2010/05/27

千尋

8
殺人を罪とするのに、死刑は良しとするのか。それは矛盾してはいないか。死ぬなんて許さない、生きて苦しめと言うべきではないのか。という大学の教授の言葉がずっと心に残っていたので読んでみました。事件の概要、死刑囚の心情、被害者遺族の心情が書かれていて、さまざまな角度から死刑について考えられる。今まで私は、目には目を、死刑も必要悪だと思ってきたけど少し考えが変わりました。死刑だけが償いの形じゃない。2014/02/16

うめうめ

5
一気に読ませる本でした。裁判員制度が始まり、死刑判決も出た今こそ、読むべき本であると思います。被害者、加害者、行政の立場を感情を排除して描写しているのに、好感が持てます。2010/11/23

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