出版社内容情報
重松清が満を持して挑む、初の母親小説! 昭和の母から平成の母、強い母からどこまでも優しい母……第一章から第八章まで連鎖するストーリーとともに登場するかあちゃんたちが胸と涙腺を揺さぶる一冊!
重松 清[シゲマツ キヨシ]
著・文・その他
内容説明
「お母ちゃんな…笑い方、忘れてしもうた」親友をいじめた。誰からも助けてもらえなかったあいつは、自殺を図り、学校を去った。残された僕たちは、それぞれの罪を背負い、罰を受けて、一人の年老いた「かあちゃん」に出会った―。母が子どもに教えてくれたこと、子どもが母に伝えたかったことを描く、感動の最新長編。
著者等紹介
重松清[シゲマツキヨシ]
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て、執筆活動に入る。1991年、『ビフォア・ラン』でデビュー。1999年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。2001年『ビタミンF』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shinji Hyodo
93
最近本読んでも泣けなくなって、もう物語を受け付ける感受性も錆びついてしまったんかな…って寂しい思いになっていたのに…´д` ;久しぶりに泣ける重松本。事故で父親を亡くした息子と母親の葛藤…それはその事故で同時に亡くなった同乗者に対する母親の頑なまでの償いから始まった。26年後にその同乗者の墓前で倒れた母親の絶えることなく続いた償いに心を揺さぶられた中学生の気持ちの揺らぎが重松さんらしく描かれていて…泣けた。「墓参りは、覚えとる、いうことじゃ」母ちゃん、近々墓参りに行きますけん。2017/11/01
nyaoko
92
夫を亡くし、女手一つで一人息子を育てた「かあちゃん」遺族でありながらも「加害者の家族」として、一生償いをしていこうと決めた「かあちゃん」これだけでもう、泣きそうになってくる。このお話は連作になっていて、色々な家族へ続いて行きます。イジメによって自殺未遂を起こした少年、加害者になってしまった友達、ダメ教師。辛い時は心を閉ざしていれば大丈夫と、自分に言い聞かせていた少年の心を読んで涙。でも、私が一番泣けたのは別のシーンでした。そこで泣くとは思わなかった…重松清はやっぱりいい。いい。2017/12/16
myunclek
84
父ちゃんとしては、存在感が希薄で寂しい限り。子供に対する母親の偉大さを再認識させられる物語でしたね。自分自身の子供の頃を振り返ってみても父親よりも母親との関係がより密度が濃かったことは、確かだったよな…。親と子の信頼関係について、一方的な庇護だけではすまない現代社会の難しさを考えさせられた。2013/12/29
ポップノア♪@9/1~9/5初入院。でもプチ旅行気分
75
不慮の事故で夫を亡くした「かあちゃん」。同乗していた上司も亡くなった為、遺族への贖罪から一切の幸せを拒絶、笑うことさえ捨て去ってしまう。26年の歳月が経ち、今年で還暦を迎える今でも…。「かあちゃん」の融通の利かない強すぎる思いに胸が苦しくなります。ただ400頁は長いかなと思っていたら、話は中学校のいじめ問題に移行する連作短編集でした。保身から親友をいじめてしまったり、見て見ぬふりの傍観者の内心もつらい。そして、どの話も「母親」の存在がキーに。それにしても重松さんはなぜ中学生の気持ちを覚えているんだろうか?2021/05/03
そのぼん
72
『かあちゃん』かぁ…。母というか、家族の物語だった気がします。悩み事を抱えながらも、一歩一歩確実に進んでいく姿がみえてよかったです。前向きになれる一冊でした。2012/02/20
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