内容説明
嗤われようが、蔑まれようが、へらへらと笑いつづければいいのよ。それが愛敬芸の第一歩なんだから。つけ火で左腕を怪我した清吉は、大工になる夢と、棟梁の娘との結婚を諦める。自棄になって酒に溺れ、喧嘩を売った香具師の親分に叩きのめされ、香具師として生きることに。親分の息子の失踪、対立する組との抗争、そして幼馴染への想い。清吉の周りには、次々と難題がふりかかる。
著者等紹介
池永陽[イケナガヨウ]
1950年、愛知県豊橋市生まれ。岐阜県立岐南工業高等学校卒業。1998年『走るジイサン』で第11回小説すばる新人賞受賞。2006年『雲を斬る』で第12回中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかんべ
6
職人が怪我をして転落の道を進むって、よくある話し。それほど体が資本の職業。今のスポーツ選手のようだ。清吉もだんだんよくなっていく左手であったのに、時間が待ってくれなかった。女も怖い。2015/01/11
おそのさん
1
登場する女がみんなとんでもない。大工の青年が火事にあい、左手が動かなくなる。香具師として命のやり取りをするうちにって…。え~2011/10/22
神崎華紅
1
女の執念 世の流れに逆らえないのも女 犠牲になるのもまた女 守ってもらえるような,愛される女になりたいもんだ でも,女は強い 女は恐い 2009/07/10
yaguma
0
☆☆2010/01/11
アズキ母さん
0
池永さんの時代小説。なんかいまいちだった。二人の女性の描き方、二人の主人公への態度の描き方。女としてなんかなあ、と思ってしまった。ラストもなあ。幼馴染は自殺したのに。2019/07/10