内容説明
医療ドキュメント。医療とは何か、生命とは何か。大切な人に今あなたができることは何か。医師の視点と娘の目線。今までなかった両方の視線から問いかける。
目次
第1章 有能な医師の難しい説明
第2章 高齢者の入院生活
第3章 うちのめされる医師としての自分
第4章 家族と医師
第5章 在宅介護の問題
終章 医療の誤解は理解に変わるのか
著者等紹介
山田恵子[ヤマダケイコ]
東京都生まれ。整形外科医。東京大学医学部医療情報経済学客員研究員。東京大学医学部卒業。東京医科歯科大学大学院にて医療政策学修士課程修了。勤務医として働くかたわら、医師になってからハードワークに体を壊してしまった経験を踏まえて、情報サイトAll Aboutにて女性の健康をサポートする情報を発信し、年間アクセス数は六〇〇万をこえる。さらに医療サイドと患者サイドの良好な関係の構築をめざし、2007年より病院検索サイト「Dr.玄白」を運営する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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貧家ピー
1
整形外科医である著者が、父親が末期がんで亡くなるまでを、医師と娘の視点で綴った本書。医師のわかりやすい説明も、患者に全て伝わっている訳ではないこと、遺される家族のグリーフ・ケアに繋がる患者の看取り方など、複眼的視点で描かれることで、伝わることが多かった。 点滴や透析で代替するには、膨大な手間・調整が必要だが、人間の体は「ごはんを食べて自力で排泄する」という、一見単純な行為を通して、体を組織する60兆個の細胞のすみずみに必要な栄養を取りこみ不要なものを捨てている、という文章が心に残った。2013/04/15
katta
1
☆☆☆☆ 病気に寄り添うのは、医者と患者だけでなく、患者の家族がいる。著者は医者であり、患者である父親のガンを看取る。立場による思いやりや常識の格差など、考えさせられることが多かった。2009/02/09
ポッポ
0
家族を看取ることは誰にでも訪れます。医者であり娘であるという両方の視点から書かれており、筆者の気持ちが伝わってきます。読んでよかったです。2009/10/10
角野 大
0
娘として無力感を抱きながらも、伴奏者として父親と歩みを共にする姿と、一方で冷静に死への過程を分析する医者から見た描写は、その二つの役割が影響し合いながら形成されているように感じられた。2024/10/10