地獄番 鬼蜘蛛日誌

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  • サイズ B6判/ページ数 213p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062150712
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

地獄に堕ちた女郎の願いは、蜘蛛になること。代わりに閻魔が命じたのは、鬼の御用聞きと地獄の見回り、そして日誌を書くこと―。鬼蜘蛛と変化した女郎が見つめる、怨むこと怨まれること、許すこと許されることの意味。第三回小説現代長編新人賞作品。

著者等紹介

斎樹真琴[サイキマコト]
1978年福岡県生まれ。高校時代から創作活動をはじめ駿河台大学法学部法律学科卒業後、会社勤めをしながら小説を書き続ける。『地獄番 鬼蜘蛛日誌』で第三回小説現代長編新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

50
地獄で鬼蜘蛛となった女郎は閻魔より鬼の御用聞きと地獄の見回り、そして日誌をつけることを命じられた。彼女が見た地獄とは・・。第3回小説現代長編新人賞受賞作。この本があまり知られていないのがもったいないです!何と言っても地獄の解釈が新鮮でした!この話における鬼とは地獄に落ちた亡者に対して怨みがある者で、生前に受けた復讐をしているという設定。とはいえ例え刑罰をくだす鬼の立場であっても、地獄は地獄だなと思いました。デビュー作ということもあって少々荒削りで強引なところもありましたが面白かったです。★★★★2012/04/23

Roy

9
★★★★+ 第3回小説現代長編新人賞 斎樹真琴版、蜘蛛の糸。地獄に堕ちて蜘蛛となった女郎が、閻魔様に宛て書いた地獄番日誌。閻魔、鬼、女郎、痺れる地獄世界。読後、どことなく爽やかに切ない。2008/11/14

目玉おやじ

8
現代版の芥川龍之介「蜘蛛の糸」。現代版だから、蜘蛛の糸が垂れて来るのを大人しく待っているなんて事はしない。母を恨み、神仏すら恨み、野垂れ死んだ元花魁は、閻魔相手に啖呵を切り、鬼蜘蛛と化す。怨み怨まれ、飽く事無く報復を続ける地獄の日々が見せつける、業深き人間の哀しさ…。彼女が真に救われる日は訪れるのか?念のため、本作はホラーでは無い。カテゴリ不明。母と娘の葛藤を描いている様にも、一人の女性の成長記(成仏記?)の様にも読み取れる。テビュー作なので、かなり荒っぽいが、切なさと爽快感双方を楽しめる作品である。2010/06/12

里理

7
悪いことをすると地獄に堕ちるよと幼い時に言われたことがある。宗教云々ではなく、その教えは大人になった今でもどこかしらで覚えている。それは死後に何があるのかが分からない畏怖からくるものだろう。針の山や賽の河原など、地獄をイメージするものが次々と出て来る。そこで行われるのは鬼による粛正。ただ、その粛正が正しいものなのかは読者に委ねられる。罪と罰、救済。重いテーマではあるけれど、読みやすかった。鬼蜘蛛の垂らす糸も、持っていきかたがうまい。2009/06/08

non

7
地獄に堕ちて、鬼蜘蛛となった元・花魁が地獄番として、地獄の様子を日誌に書き綴る。目の前に広がるのはまさしく地獄絵図。裁きを受けているのは、鬼か亡者か。地獄の血生臭さが、空の下の穏やかさによって、より強調されている。鬼蜘蛛の廓言葉もテンポよく、面白かった。真の救いとは何か。新しい地獄観(地獄の世界観?)だった。2009/03/12

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