内容説明
「虹よ消えるな」その言葉に込められた作家の想い。故郷にかよう血、南フランスへの憧憬、記憶を紡ぎながら、自身の言葉の背景を巡る、小川文学、創作の根源を見つめた、珠玉の随想集。
目次
第1章 虹よ消えるな(最初の登場人物;おばあちゃんの言い方;煙草;骨折以後;駅にて寸感 ほか)
第2章 南(ル・ミティ)―風の道(プロヴァンスの坑夫;サント・マリー・ド・ラ・メール)
著者等紹介
小川国夫[オガワクニオ]
1927年12月21日、静岡県藤枝町(現・藤枝市)生まれ。1950年、東京大学文学部入学。1953年、「東海のほとり」を『近代文學』に発表、同年ソルボンヌ大学に留学。1954年、「動員時代」を『近代文學』に発表、同年グルノーブル大学に移籍。1955年、イタリアからギリシャへのバイク旅行。1956年、日本に帰国し、大学へは復学せず、創作活動に入る。1957年、「アポロンの島と八つの短篇」を『青銅時代』に発表、私家版『アポロンの島』を刊行。以降、作家として執筆を続ける。1986年、「逸民」で川端康成文学賞。1994年、『悲しみの港』で伊藤整文学賞。1999年、『ハシッシ・ギャング』で読売文学賞を受賞している。2008年4月8日、肺炎のため永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まど
3
押し付けがましくなく、筆者の目に映るものを淡々と記している平易な文章だけれど、風景や会話とかなにげない場面でさえも読み手の心に残る。隅々まで行き届いている良い本。2010/05/07
はるお
0
敬体で書かれたエッセイ。戦前戦後の話がほとんどなので、その時代の空気感が好きならばおすすめ。最後に収録されている小説(?)2編がとても良かった。フランス人、モロッコ人との会話が小気味良い。2015/03/28
ウチ●
0
予備知識なしに最初の1、2ページをめくった時点でインスピレーション買いし、読了。インターネットで調べたら・・・なるほど、小川国夫とはそのような作家だったのか、と遅ればせながら納得。 2008年に80歳で亡くなられているとのことですが、なるほど、この人ァバイク乗りだわ。 若き日にバイクでヨーロッパを旅した際の出来事について書いた第二章は特に強く印象に残るものでした。(他、過ぎし日の交々を記したエッセイも素敵です。) 2012/06/05
astrokt2
0
未レビュー2009/05/30
stk
0
文章が柔らかい。随想集に触れることは少ないかった。2章はまた時期が経ったら読み直したい。2019/06/28