内容説明
先の人生が、もう見えていると思っていた三〇代後半。会社人間という“人生の保障”を捨てた。宝くじとか株とか、他力本願は一切、やめてみた。山を越え谷を駆け、象の背中に乗って辿り着いた魔境アジア。よい大学へ行ってよい会社へ勤めることよりも、もっともっと、別の生き方があることを知った全8編 血沸き肉躍る冒険談。博物館級の骨董をめぐる息つく暇ない駆け引きの末に出合った「人生の真実」とは。東南アジアで見つけた「自分を主役にする」生き方。
目次
第1章 王の呪いに取り憑かれた男―タイ/バンコク
第2章 チェンマイに消えたヒッピー―タイ/チェンマイ
第3章 猿回しとうたかたの夢―インドネシア/ジャカルタ
第4章 チームワーク―タイ/シーサッチャナライ
第5章 停まらないメリーゴーランド―フィリピン/マニラ
第6章 天空のシャングリラ―ネパール/カトマンズ
第7章 香木掘り―ベトナム/ダナン
第8章 聞かなかった話―インドネシア/タナ・トラジャ
著者等紹介
島津法樹[シマズノリキ]
1944年、兵庫県姫路市に生まれる。日本楽器製造(現ヤマハ)株式会社に勤務当時から東南アジアの陶磁器に興味を持ち、1984年、退職・独立して大阪市内で古美術店を開業。東南アジアをはじめ、中国・韓国にて古陶磁の収集・研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちゃーびん
6
再読本。 本作は人生や幸せをテーマに書かれており、前2作に比べに骨董売買の緊張感は少ない分少し地味な印象はあるものの、80年代のアジアはとても魅力的だったんだ、と思わせてくれる作品。細部に少しの誤りなどはあるものの、実際に行っていなければ書けない面白さがある。島津さんの著作は特に旅好き・アジア好きの方には是非読んでもらいたいです。2025/03/12
とかねね
2
骨董の話かと思いましたが、30~40年前のまだ混沌としていたころの東南アジアの話でした。骨董の買い付けのために訪れた場所で出会った人々から聞いた嘘のような本当の話や著者が実際に体験したことなど。日本では考えられないほど過酷な生活状況で著者が見つけた幸せとは?というのが本書の大筋です。骨董に関わるためか、圧倒的にお金の話が多いです。なんだか生々しい。そしてヒーローではないような人も登場します。けれどそれも生きるため・・・。それぞれの人生を巡る冒険譚でした。2016/09/30
エチゴヤ
2
高野秀行さんの本(「辺境中毒」)で紹介されてた島津法樹さんの本を読みたい(たしか「魔境アジアお宝探索記」)と思ったのだがで、著作で図書館にあるのがこれのみだったからとりあえず。仕事で行くアジアの各国で出会ったいろんな人の生き様。20~30年前の話なのかな?旅行で行っているわけではないところがポイント。値段交渉の仕方の哲学、問題の乗り越え方が(当たり前だが)リアル!冒険物語を読んでいるみたい。面白い人生を歩んでいる人だなあ。ほかの著作もぜひ買って読んでみたい。2012/08/02
ちゃーびん
0
★★★★☆