内容説明
日本中を震撼させたテレビドラマ『傷だらけの天使』。そのラストシーンから三十余年後、木暮修は新宿を離れ、公園で宿無し生活を送っていた。しかし暴行により意識不明になった仲間が自分の身代わりだったことを知り、姿を見せない敵を突き止めるため、弟分の亨を死なせた街、新宿に再び足を踏み入れる。ドラマファンの期待を大きく上回り、ドラマを知らずとも一気に世界に入り込める、圧倒的エンターテインメント。
著者等紹介
矢作俊彦[ヤハギトシヒコ]
1950年、神奈川県横浜市生まれ。72年、「ミステリマガジン」に短篇小説を発表、以後『マイク・ハマーへ伝言』『真夜中へもう一歩』で、注目を集める。一方、テレビ、ラジオ、映画など他分野でも活躍。大友克洋との合作コミック『気分はもう戦争』(82年)がミリオンセラーに。映画『神様のピンチヒッター』(90年)、『ギャンブラー』(92年)では監督を務めた。98年、『あ・じゃ・ぱん』でドゥ マゴ文学賞を受賞、2004年には、『ららら科学の子』で三島由紀夫賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Vakira
53
あら?これ マジにあの続編?アキラが死んでから30年が経った日本。小暮修はアラフィフだ~。乾享殺しの容疑から日本より逃亡。東南アジアを転々とそして今は埼玉でホームレス。そんな始まり。物語はあの昭和のハードボイルド作家、矢作俊彦さんが執筆。矢作さんが書いたのだから面白くないはずがない。時代は平成18年あたり、スマホ、仮想空間が出始めの頃。矢作さん凄いです。当時の最新技術情報世界に昭和の中卒、アラフィフ修を落とし込む。ホームレスの親友、ドーゾさんが殺されたことから犯人捜し。ヤクザや外人の自動車泥棒が絡みだす。2024/05/11
TERRY
6
「人情もの」にして「バディもの」というオリジナルの味わいは十分感じられました。綾部貴子の不敗神話は世紀を超えて続く(笑)。新宿の猥雑さがむしろ心地よいです。2015/08/25
toki
5
ショーケン・水谷豊の“あの”ドラマの30年後を描いた続編です。読みながらも頭の中はオープニングテーマ曲が流れっぱなし(笑)。アキラ(水谷豊)の「アニキ~」の台詞も懐かしい。再放送しないないかなぁ。。。年齢的に厳しいのは百も承知だけど、ショーケン主演でドラマ化して欲しい!!2015/09/02
辺野錠
5
元のドラマは最初の方の話しか見ていないけど最終回などで70年代の物凄く伝説的なドラマという事はよく聞いています。主人公が昔と変わっていないのは嬉しいのか哀愁なのか。インターネットなど今ならではのネタも盛り込まれてるのが現代版という印象。散々暴れて衝撃的な事実が判明してからのラストシーンはバッドエンドなのかそれとも希望なのか。近くで相棒の舞台挨拶、岸田森の演じてる人の偽名が朱川などの小ネタも楽しい。2015/04/02
ちょん
5
面白かった。ドラマ最終回の30年後という設定。小学生の時に見ただけだったけど、ものすごい鮮明に当時のショーケンと水谷豊が蘇る。矢作さんの天使もイメージを損なわずに暴れてくれて、大満足です。昔のDVDが見たくなった。色気のある50代の俳優さんで映像化してほしい。2011/08/09