久生十蘭「従軍日記」

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  • サイズ B6判/ページ数 426p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062142694
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0095

内容説明

「小説の魔術師」が見た戦争の前線。

目次

第1章 日本・爪哇(自二月二十四日至四月二十二日)
第2章 サランガン湖畔(自四月二十二日至六月一日)
第3章 出発まで(自六月二日至七月十二日)
第4章 チモール島クーパン警備隊(自七月十三日至八月四日)
第5章 アンボン島第一砲台(自八月四日至八月十二日)
第6章 ハロンの航空隊(自八月十三日至八月二十日)
第7章 ニユウギニアにて(自八月二十日至九月一日)
第8章 第九三四海軍航空隊(自九月一日至九月九日)

著者等紹介

久生十蘭[ヒサオジュウラン]
作家。1902年、北海道に生まれる。本名・阿部正雄。1923年以降、新聞記者を務めながら地元紙誌に小説や戯曲などを発表。1928年に上京、岸田國士に師事し演劇に打ち込む。翌年からフランスに遊学し、1933年に帰国。以後『新青年』を中心に小説や翻訳などを発表。演劇分野でも活躍するが、次第に小説の比重を高めるとともに、作風や発表誌の幅を広げていく。1943年、海軍報道班員としてジャワなど現在のインドネシア共和国方面に派遣される。1952年、「鈴木主水」で第二六回直木賞を受賞。1955年、「母子像」が『ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン』紙主催の第二回世界短篇小説コンクールで第一席を獲得。1957年、食道がんで歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Rusty

2
これ、1943年の日記なんだよなぁ…ニューギニアはともかく、インドネシアは相当ヒマというか、堕落してたことに驚く。朝から酒を飲み、ゴロゴロ寝て、家族へ贅沢品を送り、旨いものを食って女と寝て、夜更けまで麻雀をしてという毎日が続く。むしろこの日記の後の方が激戦地へ行って戦時中らしくなるのだろうに、まあだからこそ散逸しているのだろうか。取りあえず、十蘭の本を読んだことがないので読んでみよう。2014/11/12

大竹 粋

2
前半のどうしようもない倦怠と後半の爆弾の嵐の中の描写は、文体や匂いまで違う。この落差は小説ではなく現実の時系列をそのまま記したものだから、そこに我が身を置いているかのごとき錯覚に襲われ、それがこの書物の醍醐味だと思う。飲む打つ買う、兵隊さんの価値観、戦場の日常、時代の空気の前提、いろいろなことを考えさせられたが、十蘭の作品の素晴らしさにはまったく影響を及ぼさなかった、少なくとも私は。2012/09/05

あきのぶ

1
未読了2022/03/03

国重

1
久生十蘭が第二次大戦中、海軍報道班員として南方に派遣された時の日記。読んでいると、とにかく現地の住民から戦争の勃発で取り残された西洋人まで、色々な女を買っている のだけど、同時にいそいそと内地に残してきた奥さんへのプレゼントを買いに走り回り、手を尽くして内地に送っている様子が面白い。発表を前提に書かれた物ではないので、他にも色々と面白い話が読める。2018/06/30

ワインバーグ

0
「一篇にても傑作をものしたく」思ったのか、前線への従軍を希望した十蘭氏がクーパンで再三の空襲を体験して心境が変化していく様子が見物だった。空襲の後、十蘭氏が「椅子を前庭に持ち出し、火事を見ながら三人で熱い茶をのむ。チョコレートを喰う」場面はどことなく呑気で面白い。空襲と十蘭氏の心境の変化の記述は小説より小説的で、空襲によく遭う人物だなと感心する。それにしても、麻雀によく負ける人だ。断わりきれない性格の人は弱いのかもしれない。2015/10/13

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