内容説明
俳壇の巨匠が、代表作から愛着の深い句まで、自作二一五句を自ら選び、自ら解説しています。一句ごとに句作の動機、過程、背景が記されているので、作家や昭和の俳壇を知る上での貴重な資料です。
目次
自句自解(二一五句)
俳句・その作り方
著者年譜
収録句索引
著者等紹介
山口誓子[ヤマグチセイシ]
明治34年(1901)11月3日、京都市生まれ。大正15年・昭和元年(1926)東大法学部卒業。昭和4年(1929)12月、「ホトトギス」同人。昭和7年(1932)3月、処女句集『凍港』(東京素人社)出版。昭和24年(1949)4月、中部日本新聞社から「現代俳句の革新」の業績により中日文化賞を受ける。昭和31年(1956)11月、大阪市民文化賞。昭和45年(1970)紫綬褒章受章。昭和51年(1976)5月、勲三等瑞宝章受章。昭和61年(1986)8月、紺綬褒章受章。昭和62年(1987)6月、日本芸術院賞受賞。昭和64年・平成元年(1989)1月、朝日賞受賞。平成2年(1990)6月、関西大賞受賞。平成4年(1992)1月、文化功労者として顕彰。平成6年(1994)3月26日、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆうゆうpanda
38
「悲しみの極みに誰か枯木折る/悲しいことがあった。いかなる悲しさか、ひとにはわからぬが、私のこころに悲しいことがあって、それが極まっていた。慰めるひとはなく、私はひとりその悲しみに堪えようとしていた。そのとき、外で枯木の枝の折れる音がした。誰かが折ったのだ。その音を聞いて私は悲しみに堪えられなくなった(略)悲しみの極みにいる誰かが、枯木を折った、と解する読者がいるかも知れぬ。しかし、その誰かが『悲しみの極み』にあることをどうして知ることができるであろうか。」極めて俳句的な思考。脂が乗った40代の句が秀逸。2017/05/27
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