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兄いもうと

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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062141505
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

結核で若き命を散らした俳人・子規。無償の愛で、兄を支え続けた妹の律。死病と闘う日々、兄は妹に何を伝えたのか。生きるとは―今日を諦めないこと。正岡子規を支えた無償の愛。書下ろし長編小説。

著者等紹介

鳥越碧[トリゴエミドリ]
1944年、福岡県北九州市生まれ。同志社女子大学英文科卒業。商社勤務ののち、90年、尾形光琳の生涯を描いた『雁金屋草紙』で第一回時代小説大賞を受賞。また、近著の『漱石の妻』では、文豪・夏目漱石を、妻・鏡子の視点から描ききり、いままでにない「夫婦の真実の姿」に迫った点でおおいに注目された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スケキヨ

6
最愛の人への介護程、己の人生で最も深き絶望と最も気高き生き方を教えてくれる。絶望を感じるのは容易だが気高さを得るのは奇跡に近い。介護する側、される側、これでもか、これでもかと「今日一日を諦めず」生きた暁に自分自身が勝ち取るものなんだ、と命に焼き付けられました。桜のように生命力溢るる一冊です。2010/01/12

てまり

5
痛みさえも喰らうように、「いかなる場合にも平気で生きて居る事」を悟りと解した子規の慟哭が、胸に痛い。妹として最後までそばにあり続けた気丈な人が、兄亡きあと自分のために生きた後半生を知りほっとした。2008/07/21

たむ

3
天才を支えた家族の苦渋と忍耐。さらには長い介護。それも、半端ではない重病人の世話でした。明治と言う時代だからこその家族の献身だったのでしょう。読んでいて切なくなりました。ただの美談ではない、いつ迄続くのか分からない先のない介護生活はどれほど大変だった事か。でも、一番苦しかったのは、子規本人です。志半ばで、それもわずか三十代で命を終えたその無念さは想像に難くない。病床で文学の道を極めた子規とその家族、高浜虚子や河東碧梧桐など多勢の弟子たちの苦しみが描かれていた、素晴らしい作品でした。2012/07/25

rodinnk

2
「漱石の妻」からの本書。外側から見た正岡子規からは窺い知れない、家族の中での様子や、兄を思慕する妹の心情が、切々と情感豊かに描かれている。鳥越さんが題材に選び、小説として描く女性は、皆芯が強く良い意味で我も強い。打たれ強くはないけれど、踏まれても踏まれても起き上がる蒲公英のような人。それは、全ての女性の本質であるのかもしれない。子規にとって志半ばに不治の病で世を去ったことは無念に違いないが、死ぬより苦しい時に、辛く当たることの出来る朋輩や家族の居てくれたことは、やはり幸せだったと言えるのでは。2015/07/31

siroutak

1
律の心象が手の取るように分かり、一緒になって生きてるような気持ちになりました。2013/03/11

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