出版社内容情報
没後38年を経て紡がれる数奇な運命と絆の物語。「誇り高き日本人」の感動秘話。
太平洋戦争直後、孤児院エリザベスサンダースホームで育ったその少年は、アメリカに渡って学園のヒーローとなった。フットボールの花形プレイヤーとして連日新聞を賑わし、女生徒たちの憧憬の視線を一身に集めた。だが、21歳を迎えた時、彼が選んだ道はベトナムへの出征だった。彼の名をスティーブ・ヨシアキ・フラハティという ――。
内容説明
太平洋戦争直後、孤児院エリザベスサンダースホームで育ったその少年は、アメリカに渡って学園のヒーローとなった。フットボールの花形プレイヤーとして連日新聞を賑わし、女生徒たちの憧憬の視線を一身に集めた。だが、二一歳を迎えた時、彼が選んだ道はベトナムへの出征だった。彼の名をスティーブ・ヨシアキ・フラハティという―。没後３８年を経て紡がれる数奇な運命と絆の物語。「誇り高き日本人」の感動秘話。
目次
第１章 義明、アメリカへ
第２章 エリザベスサンダースホーム
第３章 新しい家族
第４章 輝かしき日々
第５章 ツギエ・ウシロダ
第６章 恋
第７章 軍隊志願
第８章 戦場にて
第９章 母の涙
著者等紹介
面高直子［オモダカナオコ］
１９６４年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。現在、テレビ局勤務（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miww
86
終戦直後、日本人とアメリカ兵の間に生まれたヨシアキの生涯を描いたノンフィクション。養子となり渡米した彼は家族から深く愛され、無二の親友を得て、スポーツの才能を開花させ人々から賞賛される存在になる。しかしその胸の内は常に自分の居場所を求めていた‥。穏やかで謙虚なヨシアキの人柄に魅せられます、哀しいお話ですが愛に溢れた周りの人たちの思いに、止まらない涙は哀しいだけのものとは思えなかった。著者の取材と多くの奇跡が生んだ素晴らしい作品です。とてもよかった、読んでみてください。2019/10/22
こみっくま🍏10
57
これはオススメ！戦後混乱期、米兵と日本人の混血児としてヨシアキは生まれた。差別の目に曝され生活は困窮。泣く泣く息子を手放した母。４歳で混血児の保護施設に預けられ１１歳で米国人の養子になる。始めこそ英語に戸惑うが人を惹きつける性格から人々の優しさに恵まれ中高生時代フットボールや野球の才能で注目を集める。甘いマスクも手伝い輝かしい時代を過ごすがその生活を自ら手放す。軍人に志願しベトナム戦争に行く決意をしたのだ。その理由と彼の最期に涙が止まらないノンフィクション。考えても仕方のないタラレバを思って切なくなった。2019/02/15
瑪瑙（サードニックス)
41
エリザベスサンダースホームの事は知っていましたが、そこで育ったヨシアキさんの事は初めて知りました。今も昔も戦争は悲劇しか生まないと強く思いました。米兵と日本人女性との間に生まれた後田義明さん。日本でもアメリカでも差別されることに変わりはなく、自分は何者なのか、アメリカ国籍を取得してもよそ者でしかないのか、と悩みながら生きた短い人生。表紙の写真通り、とても穏やかな性格でスポーツ万能で愛された人でありながら、天はなんて残酷な運命を彼に与えたのだろうと思わずにはいられませんでした。2019/09/14
carl
21
近所の国道を傷病兵がアメリカ軍のバスに座り、又有る時は寝た状態で移送されているのをわけもわからず彼らに手を振り力なく振り返してくれたのを思い出した。私は何も知らなかった。2018/03/22
まるるこ
17
すぐ読みたくて、アマゾンで注文して、２日で読了。 非常に読みやすいです。 でも、重たいです。哀しいとか、かわいそうとか、そんな言葉では語れない。 ヨシアキは、繊細で、明るくて、スポーツマンでかつイケメンで、魅力的な青年。彼はアメリカ人として認められたかった。こんなにも愛されていたのに、自分の居場所を求め続けていた。「立派なアメリカ人」てなんだ？こんなにも、純粋に一生懸命生きて、努力して、周りの人を愛し、愛され、人として素晴らしく成長した彼を殺したベトナム戦争ってなんだったんだ？ 2019/02/20
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