内容説明
私があなたに惚れたのはちょうど十九の春でした―。沖縄戦の鎮魂歌となり、バタヤンこと田端義夫が歌って大ヒットし、米兵に抱かれた娼婦たちが口ずさんだあのメロディーに秘められた願いとは。
目次
プロローグ 失われた過去への哀愁
1章 「嘉義丸のうた」と戦時遭難船(盲目の鍼灸師と鎮魂歌;太平洋戦争と魚雷攻撃;六二年後の感謝 ほか)
2章 うたに支えられて生きる(「十九の春」のルーツ;唖蝉坊とラッパ節;「与論小唄」をたずねて ほか)
3章 八重山の悲恋歌とコザのジュリグァー小唄(悲恋歌・失恋歌;白保のヒバリ;「台湾下がり」と密貿易 ほか)
エピローグ 旅の終わりは船だった
著者等紹介
川井龍介[カワイリュウスケ]
1956年神奈川県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。毎日新聞記者などを経てフリーに。NPO連想出版・編集長、インディーズレーベル「波に月レコード」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KOBAYASHI Masahide
1
数十年前に沖縄出身の友人のカセットで知って大好きになった歌だが、本書を読んであらためて気付かされたのは、それがちょうど喜納昌吉きっかけの沖縄音楽隆盛の時期だったということ。そして「十九の春」という曲を縦糸に、沖縄や台湾との関係までの社会情勢の横糸が絡む。ロード・ムービー的でもあり、やや冗長だが、最終章には全体像がコンパクトに纏まっています。2017/04/27
mariemaruru2
0
こんなに大勢の人たちに歌いつがれてきた「十九の春」、自分ならこう歌うって言えるまで練習しなきゃ。この本には沖縄や奄美の島々、満州や台湾の戦中戦後まで書かれてた。2012/06/12