出版社内容情報
中国の大ベストセラーがついに刊行! 狼の知恵と勇気が、生き抜く力をあたえてくれる! モンゴルの草原を舞台にした、大スペクタクル・ロマン!!
内容説明
天の掟とともに生きた大草原の遊牧民と、オオカミに魅せられた少年の感動の物語。
著者等紹介
姜戎[ジャンロン]
1946年、中国江蘇省生まれ。57年、父親の仕事の関係で北京に移る。66年、中国中央美術大学附属高校を卒業。67年、内モンゴルのシリンゴル盟、東ウジュムチン旗の草原に下放される。79年、中国社会科学院大学院に入学し、82年に法学修士学位取得。北京の某大学の元教授。北京在住
唐亜明[タンヤミン]
1953年、北京生まれ。新聞編集者を経て中国音楽家協会で日本の歌の訳詞に従事。83年、来日。早稲田大学卒、東京大学大学院修了。出版社勤務のかたわら、東洋大学、上智大学の非常勤講師を務める。著書に『翡翠露』(TBSブリタニカ、第8回開高健賞奨励賞)、絵本に『ナージャとりゅうおう』(講談社、第22回講談社出版文化賞絵本賞)などがある。東京都在住
関野喜久子[セキノキクコ]
1953年、大阪府生まれ。大東文化大学中国語学科卒。第1回文部省中国派遣留学生として、北京語言大学で学ぶ。出光美術館勤務を経て、フリーの通訳・翻訳者になる。東京都在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chiaki
29
ビリグじいさんの『飛ぶオオカミ』の話から、すっかりオオカミに魅了されたチェンジェンは、好奇心に任せオオカミの赤ん坊を捕まえる。しかし、母狼と引き裂いてしまったばかりでなくオオカミとしての魂、生きる尊厳…チェンジェンは小狼の全てを奪ってしまったことに気付き、自らの愚かさを悔いる苦悩の日々が続く。生き物全てがそれぞれの役割を担い連鎖関係を持って蒙草原を守っているにも関わらず、その連鎖を掟を知らぬよそ者たちがオオカミ狩りをすることによって脅かす。身勝手極まりない人間の強欲さが招いた結末に涙が止まらない。2022/05/27
ばしちゃん
2
これは良い本です。ゼヒ子どもさんが読んだらいいと思います!2015/06/14
紅花
1
娘一人読み2016/06/27
アリスに恋するうさぎ
1
オオカミに魅了された少年が自分の思いだけで突き進んでしまう。野生のオオカミ(特にその地方では神とされている)を憧れのもとに赤ちゃんを捕まえて飼い始める。野生のオオカミが一筋縄で飼えるわけもなく、少年はオオカミと一緒にいたい一心で悲劇へと進んでいく。人間ってこわいと思う。自分がオオカミと離れたくないからといって、どんどんオオカミにとって悪い方へ悪い方へと向かっていく。ラストで自分で気づきのポイントがあったからよかったが、切な過ぎる話でした。2012/11/12
dumpty
1
オオカミに敬意を払いながらも、行ったことは大変残酷。下放された一時暮らしだからできたこと、行動するよりも頭で考える学者肌の故なのか。その大地で生きるビリグじいさんの言葉が思い。漢民族とモンゴル人の対立の深さに納得。力強い挿絵もナイスです。2011/05/17