内容説明
霞が関一お洒落でスマートな財務官僚。情熱的な「霞が関のラテン系」経産省。女性と見れば口説くドンファン、外務官僚。有望株ほど「代議士転進」する不思議。「同期に一人」自殺者が続発する理由。新進女性ライターが見た、エリート官僚たちの生態。
目次
プロローグ 不思議な種族
第1章 政治への野心
第2章 ビジネスの世界へ
第3章 「大蔵省」の虚と実
第4章 「省益」の正体
第5章 悩める官僚たち
第6章 出口を探して
第7章 夢から醒めた夢
著者等紹介
横田由美子[ヨコタユミコ]
埼玉県生まれ。青山学院大在学中から、取材、執筆活動を開始。IT企業、事件、政治、官僚などについてのリポートを寄稿する、新進気鋭のライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かなばる
27
虚構・フィクションとしての官僚ではく、リアルな姿の官僚を描いたルポというところか。もっとも印象に残っているのは「大蔵省に入っていった先輩はみな優秀で熱心に働いている。にもかかわらず、おかしな不祥事が結果として出てくる。この差はなんだろう」という、ある人物の学生時代の回顧。よいインプットしても、悪いアウトプットになるということは、どこかに問題がある。大蔵省という箱か、官僚という制度か、政官の関係か、日本という国か…2023/09/07
香菜子(かなこ・Kanako)
8
ジャーナリストの横田由美子先生の著書。タイトルの通り、横田由美子先生が出会った官僚たちの生態や価値観を興味深くまとめています。でも、組織の中でも異端で変わり者の人たちを取り上げているようで、一般的な人たちからはかけ離れているような印象。2017/08/20
yurari
2
内容が少し薄いというか、掘り下げが足りないような気がしたが、あとがきの自分語りを読んで少し納得。「この3年にわたる取材活動は、私の自分探しの旅であったのかもしれないと思う」この本が書かれたのは2007年。今の若手官僚達の考えも知りたいところ。2022/08/14
Ucchy
2
07年の本。元官僚へのインタビュー集。インタビュイーは総合職かつ殆ど財務、経産で、転職を選んでいる時点で異色なので、これで官界の縮図とは言えないと思うが、貴重なルポではある。全体を通じて浮かんでくるのは、官僚の悩みの核心は「政官関係」であるということだ。国会議員と官僚の関係性、これに疑問を感じて、ある者は政界、ある者は民間に転じていく。但し、こうした転職者がいるとしても、霞が関の官僚の総数を考えれば、「人材流出」という言葉がイメージさせるような、大量に流れ出している、というのは実態に合わないとも思う。2020/12/23
SuzieQ
1
あとがきより 『最後に私はようやく答えにたどりついた。私は、自分のことが嫌いなのだ。私は自分のことを価値のない、つまらない人間だと感じている。(略)私という存在が急に色を放ち始める気がするのだ。だから、私は書きたかったのだ。この三年にわたる取材活動は、私の自分探しの旅であったのかもしれないと思う。』 著者が自分をどう思っているかとか、読者にはどうでもいいことだ。この本から何一つ読者に向かって放たれた言葉がなかったのは、著者が、著者のために、書いただけの本だったからだ。それなら日記で十分。2014/10/05