出版社内容情報
私的にして、試的な21世紀の太宰治論。
新鋭評論家の魂に焼き付いた作家を、強烈なイマジネーションで「現在」へと甦らせ、その存在を、そして不在を、文学の今に問う、現代文芸評論の停滞を突破する実験的意欲作。
津島修治から太宰治へ、その実像と虚像、そして、太宰からD・A・Z・A・Iへ――。作家を見つめる視線の中に2つの焦点を置き、楕円状の思考の軌跡、その重層構造が浮かび上がらせる、まったく新しい太宰治の作家像。既成のイメージを払拭し、21世紀の文芸評論に活路を開く言葉の冒険。
内容説明
津島修治から太宰治へ、その実像と虚像、そして、太宰からD・A・Z・A・Iへ―。作家を見つめる視線の中に二つの焦点を置き、楕円状の思考の軌跡、その重層構造が浮かび上がらせる、まったく新しい太宰治の作家像。既成のイメージを払拭し、21世紀の文芸評論に活路を開く言葉の冒険。私的にして、詩的な21世紀の太宰治論。
目次
ひとりの男が歩いて…
復活
「死のうか」
薮のなか
余は如何にして太宰治となりし乎
余は如何にして太宰治となりし乎・続
二十世紀旗手
D・A・Z・A・I
母性の物語
ぼくたちの『斜陽』/わたしたちの『斜陽』
起源の果てへの旅
作家と遺書
グッド・バイ、あるいは竜頭蛇尾
著者等紹介
田中和生[タナカカズオ]
1974年富山県生まれ。慶應義塾大学経済学部、文学部仏文科卒。2000年、「欠落を生きる―江藤淳論」で第七回三田文学新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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