内容説明
突然、舞い込んだ絵はがき。差出人は三年前に、南極で死んだ兄だった。法の手がはるか及ばない、美しく残酷な極寒の地。そこで、兄貴の亡霊が、おれを誘っている。江戸川乱歩賞の「常識」をぶち破る、受賞第一作。
著者等紹介
神山裕右[カミヤマユウスケ]
1980年、愛知県生まれ。名古屋経済大学法学部企業法学科卒業。アルバイトをしながら、作家を目指して、新人賞に応募してきた。『カタコンベ』で第50回江戸川乱歩賞を24歳3ヵ月という最年少で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆのん
82
【2019年本屋大賞発掘本】初読みの作家。発掘本という事でかなり期待して読みはじめた。が、いまいち乗り切れないまま読了。南極の事が事細かに書かれている点は興味深かった。連日暖かい日が続いていたが天気予報で雪が降るかもと報じられる程の寒い4月。南極舞台の本は寒さに拍車をかけた。想像もつかない寒さはかなり伝わってきた。1132019/04/10
ゆみねこ
80
2019年本屋大賞超発掘本。この本、面白かったです。熱くお薦めしてくれた書店員さんに感謝します。南極大陸昭和基地を舞台にした殺人事件と3年前の隊員行方不明事故の関わりは?兄の遭難の真相を追う、フリーカメラマンの弟。まずは読んで下さいね。お薦め本。2019/05/15
千穂
39
3年前南極で行方不明になった義兄から絵ハガキが届く。その事件の謎に迫るべく南極に向かうプロカメラマンの拓海、事件に巻き込まれて殺人犯の疑惑が。南極というと探検物の健全なイメージしかないので、この閉塞空間で疑念が渦巻くとストレスからか放火や殺人が続発するのかと恐怖感を感じた。登場人物が多く相関関係示して貰えるとわかりやすかったかも。2019/08/14
金吾
36
南極という設定は大変面白かったですが、登場人物がみんな理解しにくいタイプでした。なぜこんな事態ならざるを得ないのかがやや動機も含め不十分に感じました。ただ文章は読みやすかったので他の著書も読んでみようと思います。2022/12/05
幹事検定1級
35
南極大陸を舞台にした越冬隊でおきた事件を追っていく中で更に事件が大きくなっていきます。今まで南極大陸は有名なお犬様の映画、そして基礎教育程度の基礎知識しかなかったのですが、越冬隊の仕事や生活、そして世界有数の隕石落下ポイントであることなど新しいことを知ること出来ました。今回の事件の真相や複雑に絡み合う背景と憎悪など終わり近くまで登場人物も多くわからないまま読み進めましたが、著者の別作品のカタコンベと同様に楽しく読ませて頂きました。(図書館本)2016/01/17