内容説明
いしいワールドに分け入った現代思想の冒険者たちは、鬼才漫画家の頭脳内部で氾濫、溶解し、そして遭難!変わり果てた遭難者たちの姿がここに。
目次
1 超えゆく思想家たち(ハイデガー;フッサール ほか)
2 疾駆する思想家たち(レヴィ=ストロース;アルチュセール ほか)
3 彷徨いゆく思想家たち(バタイユ;ジンメル ほか)
4 一人ゆく思想家たち(ホワイトヘッド;バフチン ほか)
5 現代思想の二重遭難者たち(現代思想の源流;マルクス ほか)
著者等紹介
いしいひさいち[イシイヒサイチ]
1951年、岡山県生まれ。関西大学社会学部卒。在学中よりアルバイト情報誌に「oh!バイトくん」を連載。「がんばれ!!タブチくん!!」でブレイクする。1985年に文春漫画賞、2003年に手塚治虫文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白義
9
現代思想の冒険者たちシリーズの月報についていた傑作四コマ漫画の書籍化。だけあって、各思想家のキーワードや性格、キャラクターをシリーズに従いよく理解していて思想入門、ギャグ漫画両方の側面が優れています。実は初心者より、ある程度知ってる中級者が一番笑えて理解できるかもしれません。思想好きの学生なら手元において、折に触れてパラパラ読むのが一番楽しいでしょう2011/09/09
maekoo
6
現代思想の巨人達の思想や行いをウィットに富んだ4コマ漫画で個性豊かに説明してくれる衝撃の本! 哲学者を中心に社会科学・精神医学・人類学等知の巨人を怖い位本人その者な三頭身で描き、とんでもないギャグを織り交ぜつつ、難解なその思想を解り易く説明していて、哲学等現代思想を専攻する学生らは良い副読本になるであろう良書! 我ら凡人には特に哲学は難解で笑いながら現代思想に興味を持ち扉に入る入門書として良いかも! 各思想家の扉にはその業績と思想の概要が掲載されており本人の特徴をとらえた肖像と言葉が有り重宝するし笑える!2025/07/19
_apojun_
6
図書館本。いしいひさいちさんが漫画も交えていわゆる思想家と呼ばれる人々の思想を紹介するという内容。 一人あたりの分量は少ないけど、紹介される人の数は大変な量で、これだけの思想家を断片的にだけでも理解するのは大変だろうと感嘆。しかもそれを自分なりの解釈でオチのある漫画に仕立て上げるというのは、かなり大変な作業だったに違いない。「がんばれ!!タブチくん!!」「おじゃまんが山田くん」のイメージとは違った作者の偉大さを感じられる一冊でした。2020/11/04
藤月はな(灯れ松明の火)
6
(専門的な哲学書を紐解いたことのない者の浅はかな感想ですがあえて書きます)実家にある父の蔵書を読みました。シュールなネタに笑いつつも分かりやすい哲学漫画の描き方にいしいひさいち氏がどれほど、哲学を理解したのかが伺えるようでした。人類文化学、宗教論などでも一部に触れましたが哲学というのは固定にある思い込みや常識だと思っている事柄をひっくり返して改めて考えるからこそ生まれ、矛盾すらも哲学となりうるのだなという印象を受けました。2011/08/19
hayatama
4
正直言って、あたしゃ哲学というのはニガテで、本書に出てくる思想家も大半を知らない。でも、あ、このヒト知ってるわ、という部分のパロディの仕方がとんでもない。いしいひさいちは、一応全ての著者を読んでいるはず。(そうでないと、パロディは作れない。)とにかく、いしいひさいちというヒトは読者を選ぶ漫画家だ。本書を読んで怒り出すヒトもいるのかもしれないが、本書を楽しめるヒトと、哲学談義など、面白かろうと思った次第。2015/04/08