内容説明
クールな高橋。坂本竜馬フリークの真樹。ちょっとエッチな田辺さんに、運動神経ゼロの矢部さん。これが我がソフトボール部の面々。仲間たちとの楽しい部活のかたわら、直斗との恋も絶好調な私・カズ(いちおうキャプテン)。でも、この幸せな中学生ライフが、なんとなくズレはじめてきて…。
著者等紹介
草野たき[クサノタキ]
1970年、神奈川県生まれ。実践女子短期大学卒業後、会社勤務。99年『透きとおった糸をのばして』で、講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。同作で児童文芸新人賞を受賞
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感想・レビュー
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わむう
22
ゆるく楽に生きているようでも実はとても周りを見て自分の役割を果たすことに一所懸命な子、自分の信念をしっかり持っていて周りを顧みず前に進んでいるように見えても実は、とても怖がりな子。いろんなタイプがいるけど皆んなそれぞれ目一杯生きている。青春って素晴らしいな。2018/06/04
白雪ちょこ
9
タイトルが可愛い割には、結構シリアスで重たい内容となっている。 思春期真っ盛りな、中学生女子の微妙なお年頃や、心境などがうまく描かれている。 主人公のカズの、おちゃらけてるキャラを演じているところ、本当の自分が出せないところには、リアリティがあった。 大人ぶって偉そうにしていたり、サバサバした関係性や、本当の中身は甘々な子供というとこ。 お母さんが、旦那の不倫に悩んでいるところなど、全てが解決せずそのまま苦悩を抱えながら前へ。 彼女達に、希望の光が少しチラついているような終わり方が良かった。2024/03/21
アイボリー
8
お気楽でいい加減なドロップアウト集団の部活、ハチミツドロップス。ハチミツドロップスであるソフトボール部が新一年の入部により立派な部活へと変わっていきます。主人公のカズが本音を押し殺してふざけている様子が特に印象的でした。本当の自分をさらけ出すっていうのはすごく難しいことだと思います。私の友達も、私自身もみんな自分を隠している。そんな私たちにとっては戒めにもなる物語でした。「あー、ヤダヤダ。先輩の真面目な顔なんて嫌い」「嫌いでいいよ。真面目な顔も、そのうち似合うようになるって。似合うように、する」2014/01/18
fukufuku
6
本気にならずゆるくただ楽しくいい加減な日々をよしとする中学生。 が、それは武装であり、明るく軽いキャラクターの裏には別の顔の女の子たちがいる。 ゆるい中学生が身近にいたら、歯がゆくていらいらしちゃいそうですが、そういう武装は少しわかる。なので、カズちゃんたちがんばれと思ってしまう。2018/08/19
金春
5
相手の欲しい言葉や周りが望む自分像を返すのは、本音で向き合うより都合がいいけど、だんだんと辛くなる。そんな思春期の揺らぎやひたむきさが上手く描かれてる。2009/10/06