八つの日本の美意識

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  • サイズ B6判/ページ数 189p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062129633
  • NDC分類 702.1
  • Cコード C0095

内容説明

建築・料理・デザインはもとより、人間の存在そのものにおいて、世界的に、日本の文化と美意識についての関心が高まっている。ともすれば日本人自身が忘れがちなその美意識を再認識するための必読書。

目次

1 微(一期一会;細部に全体がある ほか)
2 並(日本的デモクラシー;八百万の神 ほか)
3 気(気と気配;柱は気配の建築;ヴァギナとペニス;慈悲;気配がつくる日本の建築)
4 間(気配と間;陰と陽;並列な細部;力学的空間;間の妖しさ)
5 秘(秘すれば花;「秘」と「間」;逆光が陰翳を華麗にする;「秘」の中の期待)
6 素(そのままがいい;素材と形;日本の家屋は建築ではない;反転;西洋と裏腹の美意識)
7 仮(自然への絶大な信頼;融通無碍 ほか)
8 破(人技を越える;序破急・守破離;破滅と秩序)

著者等紹介

黒川雅之[クロカワマサユキ]
建築家、プロダクト・デザイナー。1937年、愛知県生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科建築工学博士課程修了。’76年インテリアデザイナー協会賞、’86年毎日デザイン賞など多くの賞を受賞。ニューヨーク・メトロポリタンミュージアム、デンバーミュージアムなどに数多くの作品が永久コレクションとして所蔵・陳列されている。現在、黒川雅之建築設計事務所を主宰するほか、金沢美術工芸大学大学院教授、物学研究会代表を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ceskepivo

7
「日本人にとって、隠されて見えない部分や空白は、何かが見えていたり、描かれている以上に豊かな部分なのではないかと思います」という指摘は、日本の伝統的な芸術作品を鑑賞する上で、重要な視点。新たな気づきを与えてくれる良書。2024/08/18

メタボン

7
☆☆☆★ 微・並・気・間・秘・素・仮・破という8つのキーワードで、日本人の美意識、他者・モノとの関わり方、日本の建築(筆者はそもそも日本の家屋は建築ではなく家具だとも主張している)について述べている。日本家屋に「部屋」という区切られた概念はない。すべてが「間」であり、ウチとソトも曖昧な融通無碍な空間なのである。間ということで言えば、風神雷神図や彦根屏風、等伯の松林図屏風などの独特の構成美についても触れている。「陰翳礼讃」、「秘すれば花」など、余白や影の部分に美しさを感じる我々の感性を大事にしていきたい。2014/06/10

yoshi41101

4
「僕は、人間というものを知りたければ自分の眼をひっくり返して自分の中を見ろ、と言ってきた。社会の中に他者がいるのではなく、自己の中にこそ他者がいる。そう思うことで人のための建築の設計も自身をもって続けることができたのである。」というあとがきには、茂木健一郎氏の講演で言ってたゴッホの話で、自分という個性を突き詰めてそれを超えたところに普遍的なものがある、っていう言葉と通じると感じた。あと、松岡正剛の山水思想を読んだ後だったので、いろいろつながる部分を感じた。「余白」や「間」の舞台装置的な効果とか。2010/07/24

yomite

3
20代の頃に自分がマルチ使える道具とか、偶然というキーワードとかにとてつもなく惹かれていたことを久しぶりに思い出した。例えば、柱と柱の間にある緊張感は何もないけど壁となり、用途によっては開口部になる。日本の空間感覚は自在なのだ。おもしろかった。2020/01/27

ボルボックス

3
日本的美意識って本当に西洋と違うんだなぁ。その良さの上に、海外への単なる憧れから西洋文化を厚塗りしてしまったのは本当に残念だと思う。日本の古来からの本質を「古くさい、ダサい」と嫌う人は多いが、そういう人に限って、どこに行っても流されてしまうのかもしれない。日本人に必要なのは、もう一度しっかり自国の精神を見つめ直すことだと思った。2013/05/24

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