五木寛之こころの新書
サンカの民と被差別の世界―日本人のこころ中国・関東

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  • サイズ 新書判/ページ数 288p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062129374
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0236

出版社内容情報

消えゆく記憶と、消してはいけない歴史

語られることのない、日本の歴史の深層を真摯に探訪する。
かつてこの列島には、土地に定住することなく、国家に帰属することもなく自分の身分証明をした人びとがいた。海の漂泊民「家船」と山の漂泊民「サンカ」である。そして関東には、江戸・東京を中心とした被差別の世界があり、社会の底辺に位置づけられた人びとがたくましく生きた。賤民を束ねたのが浅草弾左衛門、非人頭は車善七だ。

<著者のことば>
私は、隠された歴史のひだを見なければ、“日本人のこころ”を考えたことにはならないと思っています。今回は「家船」漁民という海の漂泊民から「サンカ」という山の漂泊民へ、そして、日本人とは何かという問題にまで踏みこむことになりました。それは、これまでに体験したことのなかった新しいことを知り、自分自身も興奮させられた旅でした。

五木 寛之[イツキ ヒロユキ]
著・文・その他

内容説明

かつてこの列島には、土地に定住することなく、国家に帰属することもなく自分の身分証明をした人びとがいた。海の漂泊民「家船」と山の漂泊民「サンカ」である。そして関東には、江戸・東京を中心とした被差別の世界があり、社会の底辺に位置づけられた人びとがたくましく生きた。賎民を束ねたのが浅草弾左衛門、非人頭は車善七だ。

目次

第1部 海の漂泊民、山の漂泊民(海を住処とする「家船」の人びと;幻の「サンカ」を求めて;漂泊者の思想とその豊饒な文化)
第2部 東都の闇に生きた被差別の民(「浅草弾左衛門」と呼ばれた賎民の王;生と死、聖と賎、美と醜の境界;「フーテンの寅さん」への憧れ)

著者等紹介

五木寛之[イツキヒロユキ]
1932年9月福岡県に生まれる。生後まもなく朝鮮に渡り47年に引き揚げたのち、早稲田大学露文科に学ぶ。その後、PR誌編集者、作詞家、ルポライターなどをへて66年『さらばモスクワ愚連隊』で第6回小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞、76年『青春の門 筑豊編』ほかで第10回吉川英治文学賞を受賞。『青春の門』シリーズは総数2000万部を超えるロングセラーとなっている。81年より一時休筆して京都の龍谷大学に学び、のち文壇に復帰。小説のみならず、音楽、美術、歴史、仏教など多岐にわたる文明批評的活動が注目されている。また、『日本人のこころ』シリーズなどにより第50回菊池寛賞を受賞、英文版『TARIKI』はアメリカで2002年のブック・オブ・ザ・イヤー(スピリチュアル部門)に選ばれ、さらに2004年、第38回仏教伝道文化賞を授与された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とんかつラバー

14
サンカが日本の先住民で山に追いやられたのではなく(そもそも日本人は全然単一民族国家でない)江戸時代の飢饉で田畑を捨てて山に移り住んだ人々という説は興味深い。吉村昭の漁村で疱瘡にかかった人々が集団で村を出て山に行く話を思い出した。船で生まれ船で死ぬ「海の民」の人々の存在は初めて知った。よく関東(東京)は差別がないというのは大嘘で「男はつらいよ」の寅さんにも深い歴史的背景があった。浅草弾左衛門の本も読んでみたい2025/04/11

gtn

4
例えば漁民は、士農工商よりは下だが、卑賎視される賤民でもなく、「境界」に位置していたという。運輸業(かご、飛脚)、林業(樵)等もこのカテゴリーに入る。当時の身分制度に括られず、差別の対象とされた人が存外に多いことに改めて気付く。2018/06/05

どくたや又右衛門

1
五木寛之こころの新書の一冊。このシリーズ、かなり絶版になっているが、これはまだ入手可能。中国地方、関東地方にスポットをあてる。瀬戸内では、家船(えぶね)と呼ばれる海の流泊民を取材、さらに山の流泊民の話題も。そして関東では浅草を中心に弾左衛門、車善七などを語る。紀行文にも似た旅の中で、思いを馳せる五木氏。忘れてはならない歴史、と五木氏は語る。2013/08/24

ninestories

0
読んだが、あまり印象に残っていない。五木寛之先生の本は、通勤電車ですっと集中して読める。2016/04/05

栗きんとん

0
「日本の路地を旅する」が非常に深く非差別部落に切り込んだものだったので、それと比べると少し物足りなさののこるものだったかな。一昨年にしまなみ海道を自転車で走ったため、村上水軍や家船のあたりは興味深く読めた。そんな人たちがいたこと、そんな歴史があったこと、知らないことが多かった。「風の王国」読んでみようかな。2015/08/25

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