出版社内容情報
わたしを包む、にせ物の星。だけどそれは、にぎやかで温かい。
東京都 世界谷の不思議話
警報音少女に翼の生えた少年、空中に浮かぶ先輩、そして……。中学3年生の多彩な「自意識」を投影した、きらめく4編のショート・ストーリー。
梨屋 アリエ[ナシヤ アリエ]
著・文・その他
内容説明
警報音少女に翼の生えた少年、空中に浮かぶ先輩、そして…。中学3年生の多彩な「自意識」を投影した、きらめく4編のショート・ストーリー。
著者等紹介
梨屋アリエ[ナシヤアリエ]
1971年、栃木県小山市生まれ。東京都在住。「でりばりぃAge」で第39回講談社児童文学新人賞受賞。「ピアニッシシモ」で第33回日本児童文芸家協会新人賞を受賞した
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チアモン
59
中学生のときってこんな感じだったかなぁ。10代からはだいぶ離れ過ぎてしまっているからあまり共感はできなかったが、内容的には素敵な作品でした。2019/06/07
☆よいこ
57
YA。不思議な世界観の青春恋愛ストーリー。短編4つ。[あおぞらフレーク]彼氏が絶えない美野里(みのり)は、実は恋を知らない。ある日、後輩の石川未来が恋心で空を壊してしまうのを目撃した。壊れた空はフレーク状になって降り注ぎ、口に含むと恋の味がした。[飛べない翼]背中に翼が生えていることを秘密にしている少年と、隣人のニート女の話。砂時計に埋もれる。[水に棲む]先輩の描く人魚の絵に一目ぼれした高根沢晴美は、その絵が欲しいと思う。先輩は15cm宙に浮いている有名人。[つきのこども]GL。リストカット。2019/05/23
❁Lei❁
24
4年ぶりに再読。不思議な雰囲気の甘酸っぱい、時には苦い恋の短編集。中学生特有の幼さを残した恋愛事情が可愛らしく、懐かしくなった。特筆すべきは、登場人物それぞれが持つ特殊能力。これが、辛いとか悲しい、苦しいという感情を見事に表していて感歎。確かに実際は涙が溢れて自身も水と同化するとか、焦りによって砂時計の砂と共に沈んでいくとか、そんなことはあり得ない。しかし、それが端的に心情を表していて、まさに自分もそう感じることがある、と共感した。上手く言葉で伝えられないのがもどかしいが、その独特な雰囲気が好きである。2018/08/16
小夜風
24
【図書館】初読み作家さん。ちょっとだけ不思議な青春もの4話。思春期の危うさを、超常現象を使ってさりげなくさらっと表現しているのが面白かったです。どの子も何となく痛い…でも中高生ってみんなこんな感じかな~なんて思ったり…。プラネタリウムに行きたくなります♪2014/08/12
❁Lei❁
19
再々読。憧憬、自己陶酔、孤独、息苦しさ。中学生の少年少女の瑞々しい恋心と苦悩が描かれている作品。空を壊してしまうような、熱烈な恋がしたい。いつか自分の翼を広げて大空に飛び立ちたい。ひとりぼっちの寂しい夜に、涙の水たまりに溶けてしまいたい。暗闇の中、誰にも見つからずに逃げ出したい。プラネタリウムのにせ物の星は温かく、誰もを優しく包んでくれる。息苦しい地球から抜け出して、本当の自分を見つめるために、プラネタリウムは存在しているのかもしれない。2019/09/07
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