内容説明
自分の内面世界に封じ込めてきた「在日」や「祖国」。今まで抑圧してきたものを一挙に払いのけ、悲壮な決意でわたしは「永野鉄男」を捨てて「姜尚中」を名乗ることにした。初の自伝。
目次
第1章 朝鮮戦争のときに生まれて
第2章 在日一世が生きた意味―二人のおじさんの人生
第3章 「尚中」が「鉄男」を捨てた夏
第4章 ドイツ留学―故郷と異郷
第5章 父の死と天皇の死と
第6章 社会的発言者へ
第7章 新たな疾風怒涛の時代へ
第8章 東北アジアにともに生きる
著者等紹介
姜尚中[カンサンジュン]
1950年、熊本県熊本市に生まれる。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。ドイツ、エアランゲン大学に留学の後、国際基督教大学助教授・準教授などを経て、現在東京大学社会情報研究所教授。専攻は政治学、政治思想史。テレビ・新聞・雑誌などで幅広く活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋 眉雄
21
相手をコケにするような態度で、自分の優位性を示そうとする人間とは対極いるような人です。前世紀、『朝生』で初めて見て以来、僕はそう思い、姜さんのことをずっと信用しています。ようやく自伝を読ませていただきました。既に書かれてから15年近く経た本なので、自伝以外の部分で後半多く語られる、多分に希望的観測を含んだ日韓関係についての展望は、今となっては大半がまさに希望でしかなかったという結果であり、暗澹たる気分になりそうでした。韓国はもっと大人になるべきですね。子供どうしがいがみ合っても埒があかないので。2019/10/13
みゃお
3
著者の半生をつづった書。 非常に重く受け止めた。 あまりにものを知らずにいた自身を深く反省。 偏見をぬぐい恩讐をこえて「東北アジアにともに生きる」ということは、日本人もきちんと受け止めなければいけないことでは、ないだろか。 今向き合わなければ、次世代へ負の遺産を送ることになってしまう。 せめて己の偏見を払拭すべく、多方面からの知識を習得するところから始めたい。2021/01/15
umeko
2
NHK「日曜美術館」のイメージから一変。「在日」問題だけでなく、多くの事を考えさせられる内容だった。2010/09/24
Taro
1
姜先生が向き合ってきたアイデンティティの問題。 在日たちが抱えている悩みなど。 自分という存在に逃げずに真正面に向き合うことがいかに大切かを考えさせられた。
ophiuchi
1
ちょうど6年前に発売された本。朝鮮学校を学費補助の対象とするかどうかが議論される現状は、当時よりも在日にとって厳しいのかもしれないと考えさせられた。2010/03/23
-
- 電子書籍
- LOVE ANGEL間違い電話の女 セ…