内容説明
有史以来、権力者による数えきれない大量虐殺と大飢饉。しかし人口は急増し、13億人。中国人の底知れぬパワーの源泉は「死」にある。
目次
序章 死には生をもって抗す
第1章 倒錯と残虐の為政者たち―春秋戦国・秦漢時代
第2章 民族浄化と皇帝の暴虐―魏晋南北朝時代
第3章 報復が報復を呼ぶ悲劇―隋・唐・五代十国時代
第4章 マルコ・ポーロも見た人肉食―宋・金・元時代
第5章 エスカレートする「孝行」「貞操」「養生」―明・清時代
著者等紹介
徳田隆[トクダリュウ]
1950年、神奈川県に生まれる。東京外国語大学中国語科卒業後、翻訳家・中国歴史研究家となる
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感想・レビュー
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KAZOO
123
中国の歴史をかなり権力闘争的な観点から記述している本だと思います。この書かれた方はわが国で唯一「資治通鑑」を全訳しようとしている方で、ぜひ全訳されたら私も通読したいものだと思っています。この本にはその資治通鑑からの引用が殆どでかなりエッセンスの部分だけを抜き出しているように感じます。本の題名がかなりエキセントリックな気はしますが、中国人の性格を形作ってきたものがわかるような気がします。2016/10/31
BIN
3
タイトルからは想像がつきにくいですが、ある意味タイトル通り。華やかな英雄達が活躍する乱世の裏側にある大量虐殺や飢餓などによる人食などを史書(主に資治通鑑)から抽出してまとめたもの。よほどのマニアじゃないと読むのはきつい。五胡十六国以降が人食に関してエスカレートしていき、仇に対する復讐方として仇の肉を食らったり、重病な親に対して自分の肉を食べさせて治したり孝行という点でもあったとか。これを読んでると平和な時代に生まれてきてよかったとつくづく思った。2015/11/29