出版社内容情報
人生を、考える。
小林秀雄と池田晶子、2人の思惟する精神の、宿命的出会いが生んだ<正しく考えるためのヒント>
人生について考えるという、誰もがしているはずのこの当たり前のことが、しかしこれを正しく行なうということは如何に困難なことであるか。繊細に振れる針のような注意力が必要なだけではない。確信を持って把んだものを決して手離さないという忍耐力、裏から言えば、偽りを偽りと看破し去る力強い直観力が必要なのだ。 ――<本文より>
池田 晶子[イケダ アキコ]
著・文・その他
内容説明
小林秀雄と池田晶子、二人の思惟する精神の、宿命的出会いが生んだ「正しく考えるためのヒント」。
目次
常識
プラトンの「国家」
読者
良心
天という言葉
還暦
言葉
学問
考えるということ
ヒューマニズム
哲学
歴史
物
道徳
無私の精神
小林秀雄への手紙
著者等紹介
池田晶子[イケダアキコ]
1960年、東京生まれ。慶応大学文学部哲学科卒業。専門用語による学問としての「哲学」ではなく、日常言語によって真に「考える」ための哲学表現を実践し、多くの読者の支持を得ている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
32
「表象は反射である。反射は思惟ではない」・・・なんという勁い言葉だろう。確信から発せられた言葉。その確信は常識から出発した強靭な思惟に支えられている。「私が言葉を語っているのではなく、言葉が私を語っているのだと気がつく瞬間というのは、人間にとって、少なからぬ驚きである」・・・まさしく驚きである。考えるということは生きることだということに深く思いを致す。2016/01/15
里愛乍
27
本書は小林秀雄「考えるヒント」の解説書なんかでは決してない。確かに引用されている箇所はあり、それについて著者の考えを述べてはいるものの、その箇所をなぞって言い換えているのではなく、あくまでも著者の言葉であり、それが見事融合されている。実際、彼女の言葉は彼女の他の著作でも、再三述べていることであって、まったくもってブレがない。「言葉はそれ自体が価値である」「わからないことを自分のわかるようにわかって一体何をわかったというのか」そう言いきる彼女には、いつもながら清々しい気持ちにさせられます。2015/07/27
史
3
小林秀雄を軸においた、言葉や文章や考えることについて。2023/04/15
ジョンノレン
3
事前に著者の言葉をピックアップした本と著者をテーマとした本を読んで興味を持ち、この本を手にしました。小林秀雄のトーンに平仄を合わせたのでしょうか、異様に攻撃的なな表現が多く、そういった箇所を読み飛ばし、コア部分を探すも、それらも難解でストレスフルでした。 で、1日置いて再度読み始めたところ、この本は一度読んでどうこうではなく、時々思い出したように、気になる箇所を味わう様に読む本かなと思えて来た。そう言えば小林秀雄の作品もそんな風に味わっていたかも知れません。2022/02/08
ゆき
3
言い回しが、本の池田さんの軽いタッチのモノと比べると難解でが、小林秀雄さんと一体になって綴ったのだと思うとそんなに軽くわかるわけがないかと考えるのをあきらめそうになる。きっとそんなことを望んではいないんだろうけれど。2017/04/08