アベラシオン

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  • サイズ A5判/ページ数 660p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784062121576
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

冬のヴェネツィア、華やかなパーティのさなかに起きた奇妙な殺人事件。偶然目撃者となってしまった日本人留学生藍川芹は、やがて事件の関係者からの招待状を受け取る。北イタリア山中の巌上にそびえる“聖天使宮”。未公開の美術品に満たされた巨大な正五角形の宮殿を所有するのは、謎めいた伝説に包まれた美しい一族の末裔だった。心ならずもそこに滞在することとなった芹の前に、勃発する凄惨な連続殺人。一族の過去に揺曳するナチズムの影。車椅子の少年に導かれて、絢爛たる地獄を巡る女主人公が最後に見たものは―。

著者等紹介

篠田真由美[シノダマユミ]
1953年、東京都本郷生まれ。早稲田大学第二文学部卒。専攻は東洋文化。91年に『琥珀の城の殺人』が第二回鮎川哲也賞の最終候補となり、注目を浴びる。94年から始まった「建築探偵桜井京介の事件簿シリーズ」は読者から高い評価を受け、現在も続いている
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

28
再読。いつみても装丁の素晴らしさに溜息が零れます。所々、学芸員課程で学んだことが見受けられるのが嬉しいです。絵画、贋作、錬金術、不老長寿の薬、畸形、階級社会、ナチズム、館、聖書の逸話などの要素をこれまでもかとふんだんに詰め込んだ作品。正当な血統の証を持つジェンテーレに最期まで拒絶されたアベーレが何だか生き残った諸戸道雄氏のように思えました。どこまでも無垢だからこそ、残酷。でも芹は一面しか見ていなくて本当の姿に拒絶したことに絶望したのか。そして江戸っ子口調が馴染んだ「あの人」が手紙とはいえ、あの口調(笑)2013/02/22

5
虚実入り交じっているとしても、絵画、建築、歴史、錬金術等々、数々の蘊蓄が豪華にちりばめられ、読みごたえのある大作でした。グロテスクな場面も多々あるのですが、壮麗な宮殿建築を舞台にしたこの物語には、似つかわしいものに思えました。2010/09/12

もぐもぐチョビたん

4
ファンタジーとして読むならアリかな(=^ェ^=)とにかく長い(笑)突如ハーレクインじみた展開に驚愕。主人公が素晴らしい性格で意見がコロコロ変わるので置いてきぼりにされる(;´д`)装丁がキレイなのでインテリアアイテムにオススメ。桜井京介シリーズは面白く読んだんだけどな。2015/09/18

堆朱椿

3
西洋美術(古典)ファンには楽しい一冊。美術品を実際に見ながら歩いているような臨場感と、貴族の館の中にいるリアルさがたまらない。美術や歴史についての会話はずっと読んでいたいくらい気に入った。主要キャラクターがちょっと(?)耽美なのも好み。特に兄。でも、この小説、殺人事件要らなくない? ミステリー仕立てではないこの話が読みたかった…と、思ってしまった。2014/10/15

砂糖海

3
西洋の建築物や絵画、聖書、歴史などの知識がもう少しあったら、より楽しめたのかも。読み応えは確かにありましたが…結末に関しては微妙に納得のいかない部分も若干ありました…。2011/02/15

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