内容説明
京都朝廷から薩摩藩へ倒幕の密勅が下った慶応三年秋。討幕戦の端緒をつかまんとする西郷吉之助は、浪士隊を組織した御用盗に江戸各所を襲わせる。新微組らが取り締まる江戸市中は、百鬼夜行の有り様となった。倒幕のためにはたらくことこそ男子の本懐と思い定め新微組を脱走した薩摩示現流の使い手、大迫新太郎は御用盗として益満休之助と働き、勝海舟と邂逅する…。「一ノ太刀ヲ疑ワズ、二ノ太刀ハ負ケ」維新前夜、怒涛の時代。己の剣を頼りに誠を尽くす男がいる。国を思い無私に生きた男がいる。変革の裏面史をも鮮やかに描いた痛快傑作歴史長編。
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
1929年、和歌山市に生まれる。東北大学法学部卒。『深重の海』により直木賞受賞。1995年、『夢のまた夢』にて、吉川英治文学賞を受賞した。現在、直木賞選考委員
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