紙のピアノの物語

ヘミング，フジ子【画】〈Ｈｅｍｍｉｎｇ，Ｆｕｊｉｋｏ〉/松永 順平【原作】

講談社（2003/07発売）

• サイズ A5判／ページ数 1冊(ﾍﾟ／高さ 19cm
• 商品コード 9784062119474
• NDC分類 726.5
• Cコード C0771

内容説明

この絵本のストーリーと実際の私の少女時代は違うけれど、描きながら思ったのは、ピアノが好きで、ただ弾きたいという少女の純粋な気持ちね。だから、最後は神様が願いを叶えてくれたのよ。どこか懐かしい時代の奇跡。フジ子・ヘミング初めての絵本。

著者等紹介

ヘミング，フジ子［ヘミング，フジコ］［Ｈｅｍｍｉｎｇ，Ｆｕｊｉｋｏ］
本名はＩｎｇｒｉｄ　Ｆｕｊｉｋｏ　ｖ．Ｇｅｏｒｇｉｉ‐Ｈｅｍｍｉｎｇ（イングリッド・フジ子・ゲオルギー・ヘミング）。ピアニスト大月投網子と建築家であるジョスタ・ジョルジ・ヘミングを両親として、ベルリンに生まれる。青山学院高等部在学中、１７歳でデビュー・コンサートを果たす。東京音楽学校在学中には、毎日コンクール入賞、文化放送音楽賞など多数受賞。２８歳でドイツに留学。ベルリン国立音楽大学を優秀な成績で卒業。指揮者のブルーノ・マデルナに才能を認められ、ソリストとして契約。しかし、リサイタルの直前に風邪をこじらせ、聴力を失い、全てのコンサートをキャンセルするというアクシデントに見舞われる。耳の治療のかたわら、ピアノ教師をしながら、ヨーロッパ各地でコンサート活動を続け、１９９５年に帰国。１９９９年に、フジ子のピアニストとしての軌跡を描いたＮＨＫのドキュメント番組が大きな反響を巻き起こし、デビューＣＤ『奇蹟のカンパネラ』は、クラシック界では異例の９０万枚以上の売り上げを記録した

松永順平［マツナガジュンペイ］
１９４６年、東京都に生まれる。明治大学文学部卒業後、広告代理店に入社。１９８５年からフリーランスのＣＭディレクターとして独立。カンヌ金賞、銀賞のほか、電通賞グランプリを３度受賞するなど、数々の受賞歴に輝く活躍をしている。本業のかたわら、自主製作の映画や小説や童話、作詞も手がけている
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[keroppi]

フジコ・ヘミングが絵を描いた唯一の絵本。wowowの番組で取り上げていたので読みたくなった。ピアノを弾く少女は、フジコさんの少女時代のようだ。哀しみと可愛いさを持った素敵な絵本だ。好きなことに打ち込めるということはほんとに幸せなことなんだろうな。

2020/10/31

[Hideto-S@仮想書店 月舟書房]

ピアニストのフジ子・ヘミングさんが絵を描いています。どこか懐かしい空気をまとった本です。ピアノを弾きたいけど買うことができない少女のために、母親は紙で鍵盤を作ってあげます。紙のピアノで練習している間、少女の心の中では美しいメロディが奏でられます。それは、引っ込み思案の彼女と母だけの大切な秘密でした。ヘミングさんのピアノは聴いたことないけれど、「好き」という気持ちが奇跡を起こすステキなストーリーです。きっと、絵も「好き」でずっと描いてこられたのでしょうね。

2015/04/05

[モリー]

ピアニストとしてのフジ子・ヘミング氏は存じ上げていたが、絵もお描きになるとは驚きました。「ピアノが好きで、ただ弾きたいという少女の純粋な気持ち」が、文章と画から伝わってきました。

2018/12/16

[Shoko]

図書館本。読友さんレビューで知った絵本。フジコ・ヘミングさんは絵も描かれるんだーと思って、手に取りました。ピアノが大好きな女の子。でも、家にはピアノがなく、音楽の教科書の後ろについている紙の鍵盤が女の子のピアノ。その紙のピアノがボロボロになるまで練習をします・・・。好きなことに打ち込む姿は美しい。本当に奇跡も起こるような気がします。

2020/11/10

[アイアイ]

音楽の才がある人は、絵の才能もバツグンとはまさに。母と二人慎ましく暮らす少女は、ピアノを習いたい事をずっとガマンしていた。そんな娘に紙で鍵盤を描いてくれた母。子どものいる家庭にピアノが備えられるようになった少し昔。少女は、紙がすり切れるまで鳴らない音をひく。どんな高価なピアノでも出せない「音響」フジ子・ヘミングさんのCD欲しい。▷図書館

2015/12/19