内容説明
すべての土地の「地価」を定め、土地持ちから「税金」を徴収する―。全国の資産家が戦々恐々とした、明治維新の「地租改正」。その騒動の陰で、政府や巨大資本の裏をかいて、のし上がろうとする男がいた。買い占め、地上げ、土地転がし。「明治バブル」に踊ったこの男が、理想と現実の狭間で、最後に夢見たものは何だったのか。日本のビジネスマンに捧げたいロマンと涙の歴史マネー小説。
著者等紹介
渡辺房男[ワタナベフサオ]
1944年、山梨県甲府市生まれ。東京大学文学部仏文科卒。NHKディレクターを経て、現在(株)NHKエンタープライズ21プロデューサー。1999年、「桜田門外十万坪」で、第23回歴史文学賞を受賞。同年、「指」で第18回世田谷文学賞(小説部門)受賞。2001年、『ゲルマン紙幣一億円』で第15回中村星湖文学賞を受賞
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感想・レビュー
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シュラフ
1
江戸時代、土地所有の権利証を「沽券」といったらしい。「沽券にかかわる」とはここからきた言葉である。物語は、明治時代となり新政府が地租をかけるための「地券」を発行することになり、土地が投機化されて無防備となった庶民を守ろうとする男の話である。 信じられない話であるが、地租がかかるのを嫌がってわざわざ所有権を放棄した者までいたらしい。また、大名屋敷跡地は土地が広く地租が大きくなるのを避けるため格安な評価を設定したらしい。当初、荒れ放題となる屋敷地の活用に困り、桑茶畑への転用が試みられたという。驚く話である。2012/12/22
Tao Yamamoto
0
明治維新直後の土地権利書(沽券)の投機を巡る経済小説
定年後億り人rintarou
0
沽券とは不動産の登記済書のルーツ、いわゆる「権利書」。今では実務上利用されない。不動産担保の価値など今とは異なることがわかる。たかだか100年で変わる。2021/10/06
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